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RFIDのデータを活用するために
第1回:RFIDタグの分類
著者:
野村総合研究所 松本 健
2006/6/30
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システムへの適用と課題
では、どのようにしてRFIDのデータが活用されるのかを活用例をもとに示す。単純な例としてRFIDを用いて書籍を管理するシステムを考えてみる。
書籍という「モノ」をシステムが認識するためには、書籍に番号や名前などの識別情報を割り振り、その「情報」を管理することになる。この「モノ」と「情報」の関連付けにはいくつか方法がある。例えば書籍に識別情報を印刷する、識別情報をバーコードで作成するなどがある。RFIDを利用する場合でもこれらと同様で、任意の識別情報をRFIDタグにリーダ・ライタで書き込む必要がある。
なお、書き込んだ情報はシステムにとって理解・操作しやすい識別情報、かつタグごとで完全に異なっている(ユニーク)情報にすることがほとんどである。
またRFIDタグに書き込める情報については1回のみの書き込みといった制限があることから、識別情報としてID番号のみをもつ場合が多い。したがって、その本がいつ購入されて、誰が借りていたかなどの情報についてはその識別情報に関連付けをしてシステム側で保持することになる。これらの情報は、書籍を管理するアプリケーションで扱うデータの1つとなる。例えば書庫内にある書籍の数量や、現在貸し出しされている書籍の一覧、貸し出し回数の多い書籍の表示などに利用されることになろう。
これを簡単に実現するためには、最低限でもタグ、リーダ・ライタ、アプリケーションがあればよい。ところがこのシステムが利用者にも管理者にも好評で、書籍の取り扱い量が増え、利用者が増えてくると1台のリーダ・ライタだけでは処理が間に合わなくなるため、リーダ・ライタの数を増やして増強する必要がでてくる。そうすることでRFIDタグからアプリケーション側へ流れる識別情報も大幅に増加してくるためアプリケーション側にも大きな負荷が発生する。
図1:ミドルウェアの必要性
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このような状況に対して柔軟に対応できるシステムを実現するために、RFIDミドルウェアというリーダ・ライタと業務アプリケーションの間に位置する製品が注目を浴びている。次回はRFIDミドルウェアの背景と目的を詳しく説明する。
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著者プロフィール
野村総合研究所株式会社 松本 健
1994年早稲田大学大学院理工学研究科卒業後、同年野村総合研究所入社。現在、情報技術本部にてシステム基盤を中心とした新技術の調査・評価を行うITエンジニアとして活動。最近ではESB/BPM/ユーティリティコンピューティング/サーバベーストコンピューティング/RFIDミドルウェアなどの調査・評価を行っている。
INDEX
第1回:RFIDタグの分類
はじめに
周波数
システムへの適用と課題