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SQL Server 2005クラスタリング
SQL Server 2005で実現するクラスタリング

第3回:仮想的なクラスタリングの実現
著者:イー・キャッシュ  小関 茂徳   2006/7/14
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共有ディスクの設定

   ハードウェア・ソフトウェアの準備が整ったら、「MSCS-SV1」から共有ディスクの設定を行います。

   まずは、すべてのバーチャルマシンをシャットダウンさせ、「DC」を起動後に「MSCS-SV1」を起動させます。
「MSCS-SV2」は「MSCS-SV1」でMSCSが実行されるまでは起動させないでください。少なくとも1つのクラスタノードがオンラインの状態になる前に両方のノードから共有ディスクにアクセスすることでディスク内のデータが失われる場合があります。

   「MSCS-SV1」が起動したら、「ディスクの管理」を立ち上げます。すると、ディスクの初期化と変換ウィザードが起動しますので「ディスク1」を初期化します。なお、初期化を実行すると、自動的にダイナミックディスクにコンバートされてしまうため、手動でベーシックディスクに戻します。

Windows 2000 Advanced ServerおよびWindows Server 2003のクラスタサービスはダイナミックディスクを読み取ることができないため、クラスタ内でディスクリソースに依存するプログラムやサービスはダイナミックディスクを使うことができません。

   続いて、「ディスク1(共有ディスク)」を3つのパーティションに分割します。パーティションは表2の通りに作成します。

  パーティション1 パーティンション2 パーティション3
パーディションの種類 プライマリ プライマリ プライマリ
サイズ 250MB 250MB 250MB
ドライブ文字 X Y Z
ファイルシステム NTFS NTFS NTFS
アロケーションユニット 規定値 規定値 規定値
ボリュームライベル Drive Drive Drive

表2:共有ディスクの各パーティションの構成

   以上で共有ディスクの設定が終了です。


「MCSC-SV1」におけるクラスタノードの設定

   いよいよフェイルオーバークラスタリングに参加するための設定を行います。まずはクラスタリングの同期用のために、TCP/IPの設定を行います。

   まずは「MSCS-SV1」上から、「マイネットワーク」のプロパティ画面を開き、「ローカルエリア接続2」の名前を「Private」に変更します。名前を変更したら「Private」のプロパティを開き、TCP/IPの設定を表3の通りに設定します。

IPアドレス サブネットマスク
10.233.0.1 255.255.255.0

表3:「MSCS-SV1」クラスタ通信用ネットワークのTCP/IP設定

   次にMSCSの設定として、サービスの追加およびサービスアカウントの設定と同期用のネットワーク設定を行います。

   「MSCS-SV1」上の「管理ツール」から「クラスタアドミニストレータ」を選択すると、「クラスタへの接続を開く」ダイアログボックスが起動しますので、「新しいクラスタの作成」を選択します。

クラスタアドミニストレータ(新しいクラスタの作成)
図5:クラスタアドミニストレータ(新しいクラスタの作成)

   「クラスタ名とドメイン名」の入力画面が表示されたら、「ドメイン」の項目に「test.local」を選択して、「クラスタ名」に「MSCS」を入力します。

クラスタアドミニストレータ(クラスタ名とドメイン名の設定)
図6:クラスタアドミニストレータ(クラスタ名とドメイン名の設定)

   「コンピュータの選択」画面では、クラスタノードとなる「MSCS-SV1」を設定します。すると、設定した内容でノードへの接続や適合性の分析が実行されます。

クラスタアドミニストレータ(コンピュータの選択)
図7:クラスタアドミニストレータ(コンピュータの選択)

   問題なく分析が終了したら、クラスタの仮想IPアドレスの設定を行います。設定は、「192.168.1.100」で構成します。

クラスタアドミニストレータ(仮想のIPアドレスの設定)
図8:クラスタアドミニストレータ(仮想のIPアドレスの設定)

   その後のクラスタサービスアカウントの設定は、図9および表4のように行います。

クラスタアドミニストレータ(クラスタサービスアカウントの設定)
図9:クラスタアドミニストレータ(クラスタサービスアカウントの設定)

クラスタサービスアカウント
ユーザ名 パスワード ドメイン
ドメインコントローラで設定したもの test.local

表4:共有ディスクの各パーティションの構成

   正常にインストールが終了している場合は、「クラスタアドミニストレータ」の画面に作成したクラスタノード(MSCS-SV1)が左側ペインに追加されています。

作成したクラスタノードの確認
図10:作成したクラスタノードの確認

   続いてこの作成したクラスタノード(MSCS-SV1)の「プロパティ」を開き、「MSCSのプロパティ → ネットワークの優先順位」から「Private」を選択して、クラスタリングの設定行います。

   開いた「Privateのプロパティ」画面で「クラスタ使用のためにネットワークを有効にする」にチェックを入れて、「内部ネットワーク通信のみ」を選択します。

クラスタ構成のためのネットワーク設定
図11:クラスタ構成のためのネットワーク設定

   以上で「MSCS-SV1」のMSCSの設定が完了です。

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イー・キャッシュ 小関 茂徳
著者プロフィール
イー・キャッシュ株式会社  小関 茂徳
ビジネス支援事業部 ビジネスアドミニストレーター
イーキャッシュにて事業化計画から製品化計画、販売戦略までのビジネスデザインを中心として展開している事業に携わっている。2006年度からはRFID関連事業でつちかったプラットフォーム製品の開発技術を活かして、モバイルプラットフォーム分野における仮想マシンの開発や半導体開発とともに新規事業開発提案を推進している。


INDEX
第3回:仮想的なクラスタリングの実現
  フェイルオーバークラスタリング環境の構築
共有ディスクの設定
  「MCSC-SV2」におけるクラスタノードの設定