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最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
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第9回:Oracle RACのノード追加手順
著者:日立システムアンドサービス  森田 貴司   2006/11/1
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3. 新しいノードで記憶域を準備する

   新しく追加したノードにRACデータベースを拡張するためには、既存ノードで構成している記憶域と同じ記憶域タイプを新しいノードで構成しておく必要があります。

   ASMやRAWデバイス、Oracle Cluster File System(OCFS)など、それぞれの手順に従って、新しいノードで共有記憶域を準備します。

4. Oracleホームを新しいノードに展開する

   2.で説明した手順と同様に、OracleホームもクローニングかaddNode.shスクリプトで新しいノードに展開することができます。

   いずれかの既存Oracle RACノードに、Oracleソフトウェアの管理者アカウントでログインします。Oracleソフトウェアをインストールしたディレクトリ(<ORACLE_HOME>)の/oui/binディレクトリに移動し、addNode.shを実行してOUIを起動します。

   Oracle Clusterwareと同様に、ウィザードに従って追加するノードの情報を入力していきます。インストールプロセスの途中でroot.shスクリプトを実行するように求められるので、指示に従って実行します。

   OUIのインストールプロセスが完了したらNetCAを実行し、クラスタ構成でリスナーを追加すればOracleホームの展開は完了です。


5. RACデータベース・インスタンスを追加する

   ここまでの作業で、新しいノードにRACインスタンスを追加する準備が整います。インスタンスはEnterprise Managerか、DBCAで構成の変更を行うことできます。ここではEnterprise Managerを使った手順を紹介します。

   Enterprise Managerではウィザードにより、3ステップでインスタンスを追加することができます。Enterprise Managerの「管理」タブから「データベースの変更」セクションの「インスタンスの追加」を選択し、各ステップで次のオペレーションを実行します。

  • ホスト資格証明の入力と、ASMの資格証明の入力(ASMを使用している場合)
  • インスタンスを追加するホストの指定
  • ジョブの確認と発行

   ジョブを発行すると、Enterprise Managerによって、ASMインスタンスの構成や初期化パラメータの構成、UNDO表領域とオンラインREDOログの追加、CRSリソースの登録などが自動的に行われます。

   標準的な構成でOracle RACを構築していれば、このように簡単な手順でノードを追加できます。

   なお有償オプションですが、Oracle Provisioning Packを利用すればEnterprise Manager Grid Controlからオペレーティングシステムを含めたクローニングといった、容易なノード拡張が可能になります。

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日立システムアンドサービス 森田 貴司氏
著者プロフィール
株式会社日立システムアンドサービス
オープンソリューション本部
プロフェッショナルサービス部   森田 貴司

入社7年目。Web-DBアプリケーション開発を経て、現在はOracleを中心としたオープンシステムの設計や構築、移行などに携わっている。Oracle Databaseだけでなく、Oracle Fusion Middlewareなどトータルな技術を身につけ、お客様にベストなソリューションを提供することを心がけて日々奮闘している。


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