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最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC

第9回:Oracle RACのノード追加手順
著者:日立システムアンドサービス  森田 貴司   2006/11/1
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サービスの管理

   Oracle Database 10gから自動ワークロード管理を実現するためにサービスという概念が新しく導入されました。通常、データベースが作成されるとSERVICE_NAMEであらわされる1つのサービスが自動的に構成されます。

   Oracle Database 10gのRACではより柔軟なワークロード管理を実現するため、データベースに複数の論理的なサービスを定義することが可能になりました。
サービスでの接続イメージ
図1:サービスでの接続イメージ

   ユーザまたはアプリケーションがデータベースに接続するときは、Oracle Net接続文字列のSERVICE_NAMEに定義したサービスの名称を指定します。サービスによってデータベースは仮想化され、アプリケーションごとに処理能力や障害時の動作を個別に設定することが可能になります。

   また、サービスに割り当てるインスタンスを変更した場合でもアプリケーションの設定変更は不要なので、サービスを停止することなく処理能力の拡張やメンテナンスが可能になります。

   サービスの管理にはsrvctlコマンド、DBCA、PL/SQLパッケージを使用します。Oracle Database 10g Release 2からはEnterprise Managerでもサービスの作成、削除が行えるようになりました。

   Enterprise ManagerではGV$ビューに格納されているサービスの統計情報も視覚的に確認することが可能ですので、Enterprise Managerを使用できる環境であれば活用されることをお勧めします。

   このようにOracle RACはEnterprise ManagerをはじめとするGUIでも、srvctlコマンドを中心としたCUIのどちらでも、ほとんどの管理業務をこなすことができます。特に、Oracle Clusterwareでは多くの管理タスクが自動化されているほか、さらにインタフェースの統一化によって、管理者の負荷がより低減されています。

   システムの可用性を高めるためには、システムの構成変更や管理が容易に行えることも重要な要素となります。Oracle RACは管理面でも非常に優れていることをご理解いただけましたでしょうか。

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日立システムアンドサービス 森田 貴司氏
著者プロフィール
株式会社日立システムアンドサービス
オープンソリューション本部
プロフェッショナルサービス部   森田 貴司

入社7年目。Web-DBアプリケーション開発を経て、現在はOracleを中心としたオープンシステムの設計や構築、移行などに携わっている。Oracle Databaseだけでなく、Oracle Fusion Middlewareなどトータルな技術を身につけ、お客様にベストなソリューションを提供することを心がけて日々奮闘している。


INDEX
第9回:Oracle RACのノード追加手順
  ノード追加手順
  3. 新しいノードで記憶域を準備する
サービスの管理