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現場の業務カイゼンを最大限にはかれる日本型SOA
第2回:SOAの実現を支えるコンポーネントベースモデリング
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— MDAによるアプローチによって、開発において重複する部分がなくなるのですね


株式会社日立製作所 桐越 信一 桐越氏:MDAに基づいたコンポーネントベースモデリングの具体的な開発プロセスは、まずCIM(業務分析)により開発対象業務を整理してアクティビティ図を作成します。そして次に、PIM(要求分析)でシステム化範囲を決定してユースケース図を作成するのです。最終的にこのユースケース図に基づき、PIM(システム分析)で分析クラス図やシーケンス図などを作成してコンポーネント仕様を定義します。

コンポーネントベース開発アプローチ
図2:コンポーネントベース開発アプローチ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ここまでの工程がプラットフォーム非依存の範囲となり、コンポーネントの切り出しは、この段階までに行うことになります。そして、PIM工程でイテレーション(反復型開発プロセスにおける1回の繰り返し)をかけながら詳細設計に相当するPSM(論理設計)に入り、その後の実装・テストへとつなげていくのです。


— MDAによってSOAが実現できるのですね


桐越氏:プラットフォームに依存せず、継続的に再利用可能な分析モデルによってビジネス環境の変化にも柔軟に対応できるMDAは、SOAとの親和性がきわめて高い開発アプローチといえます。しかし、その実践にあたっては大きな障壁があります。それは「業務の世界」の分析モデルと「プログラムの世界」の設計モデルの間にギャップが存在することです。

そのギャップを埋めてマッピング作業を行うためには、通常は非常に高度なスキルとノウハウを持ったITアーキテクトの介在が必要となります。マッピング作業を行うためには、分析モデルの内容が理解できてUMLの知識があり、その一方でJ2EEのデザインパターンやフレームワークについても精通している必要があります。そのような優秀な人材を確保するのは、現実的にはなかなか難しいでしょう。

分析モデルから実装に向けての障壁
図3:分析モデルから実装に向けての障壁
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   こうしたMDAベースの開発に伴う最大の課題を解決するために、日立ではこのマッピング作業の自動化を実現するMDA支援ツールを提供しています。このツールは開発環境であるuCosminexus Developerが標準装備している「モデル変換プラグイン」であり、ボーランド社製UMLモデリングツールのTogether ControlCenterで利用が可能です。このことにより、「従来はITアーキテクトが頭の中で考えて変換していた部分」をCosminexusが代わりに担うことができるのです。


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INDEX
第2回:SOAの実現を支えるコンポーネントベースモデリング
  日立製作所と他ベンダとのSOAの捉え方に違いはありますか
MDAによるアプローチによって、開発において重複する部分がなくなるのですね
  どのようにMDA支援ツールがITアーキテクトの代わりにマッピングをするのですか