第12回:メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編) (2/3)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第12回:メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)

著者:デル   2006/9/7
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サーバとストレージの構成

   ここでは、テストに用いたDell PowerEdge 2850サーバとESX Server 2.5.1の導入および構成方法を説明します。次の表2は、使用したハードウェア・コンポーネントをまとめたものです。
ホスト・オペレーティングシステム VMware ESX Server 2.5.1 ビルド14182
CPU 1MBの2次キャッシュを搭載する2.8GHzのインテル Xeonプロセッサ×2
メモリ 8GB
NIC デュアルポートのインテル8254NXX Gigabitアダプタ×2
ファイバチャネルHBA Qlogic 2340×2
ディスクコントローラ PERC 4iデュアルチャネル
内蔵ディスク 36GB×3

表2:ESX 2.5.1 Serverのホスト構成

   Dell PowerEdge 2850サーバは、表2に示したQlogic 2340ファイバチャネルHBA(ホストバスアダプタ)を経由してストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)に接続しています。ストレージは、SANに接続したDell|EMC CX300から提供されます。今回のテスト環境では、CX300内に搭載された12台のドライブを検証用に割り当てました。サーバ上ではハイパースレッディング機能を有効にしており、これを全テストで利用しています。

Microsoft Exchange Server 2003フロントエンドのテスト構成
図1:Microsoft Exchange Server 2003フロントエンドのテスト構成

コントローラ Dell|EMC CX300
LUN "仮想マシンのブート用ドライブ:6ディスクのRAID1 LUN×5
Exchangeのデータベース用:6ディスクのRAID5 LUN×4
ソフトウェア "Navisphere Manager
Access Logix

表3:Dell|EMC CX300 SANの構成

   下記の図2には、CX300のディスク・アレイ構成をまとめています。今回、一連のテストで使用した構成では、CX300内のエンクロージャから12台のディスク(ディスク番号0〜11)を使って5つのRAIDグループを作成しました。

ESX ServerのVMFS、VMDK、仮想ディスクLUNの割り当て
図2:ESX ServerのVMFS、VMDK、仮想ディスクLUNの割り当て

  • 物理ディスク0と1を使ってRAIDグループ0を作成し、ここからLUN 1と2を設定。これらのLUNは、RAID1で構成
  • 物理ディスク2と3を使ってRAIDグループ1を作成し、ここからLUN5と6を設定。これらのLUNは、RAID1で構成
  • 物理ディスク4と5を使ってRAIDグループ2を作成し、ここからLUN 0を設定。このLUNは、RAID1で構成
  • 物理ディスク6、7、8を使ってRAIDグループ3を作成。ここからLUN 3と4を設定。これらのLUNは、RAID5で構成
  • 物理ディスク9、10、11を使ってRAIDグループ4を作成。ここからLUN 7と8を設定。これらのLUNは、RAID5で構成

表4:5つのRAIDグループ

   インターネット・メール・プロトコルのメッセージング・トラフィックから生じるワークロードの場合、一般に重いI/O負荷はかかりません。よって、仮想インフラストラクチャを設計するとき、フロントエンドサービス用のVMは、ESXホスト内のローカルなRAID/SCSIコントローラを使い、バックエンドサービス用のVM(例えば、Exchange Server 2003メールボックス・サーバをサポートするVM)は、SANに接続したストレージを使うという運用形態が可能です。

   今回のテストでは、RAID1を構成したLUNと、RAID5を構成したLUNを組み合わせて使っています。実業務用のメッセージング環境では、すべてのESX ServerおよびVM LUNに、フォルトトレランス付きのRAIDレベルを採用するようお勧めします。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第12回:メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
  今回からの内容
サーバとストレージの構成
  VMware ESX ServerとExchange Server 2003のセットアップ
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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