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アジャイル開発に適したチーム編成
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アジャイル開発を組織という観点からみれば、野球のようなチーム編成ではなく、ラグビーやサッカーのようなチーム編成がアジャイル開発に適したチーム編成といえます。
これは極端な考え方ですが、野球型ではエンジニアはそれぞれの工程において戦略戦術の要員としての仕事に専念し、管理者や監督者の指示通りに行動するような組織だといえるでしょう。それに対してラグビー(サッカー)型は常に変化する流れの中で自らが判断し、チームの目的を達成するために個々にネットワークを形成しチームが最大の効率がだせるように行動するような組織だといえます。

図4:野球型組織・ラグビー型組織 出典:アジャイルプロセス協議会セミナー資料
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顧客と開発者は運命協働体 |
また、顧客と開発者は(同じ目的で働くという意味で)運命協働体であることもアジャイル開発の特長といえます。

図5:運命協働体 出典:アジャイルプロセス協議会セミナー資料
顧客にとって提供された成果物が満足度の高いものであり、開発者にとってもそれなりの対価を得ることができるのであれば、両者は幸せな関係といえるでしょう。そのためには、両者が互いに信頼・協働・尊重しなければなりません。なぜならば、アジャイル開発は開発者だけではできないのです。つまり顧客からの信頼と協力を糧にして、Win-Winの関係を持つことが大切です。
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アジャイル開発はビジネスドリブン |
アジャイル開発を行う上でのもう1つの特長は、ビジネスドリブンであるということです。ビジネスドリブンとは、ビジネス側が本当に必要としている明確化された真の要求からシステム構築がドリブン(駆動)されるということです。そしてシステム構築がドリブンされるためには、次の点が重要だと考えられます。
- ビジネスにシステムを連動し同期させる
- 活きたシステムによる実現性を高める
- ビジネスに必要のないものは作られない
- ムダな在庫(プログラム)の削減
- ビジネスとして効果の高いものを優先する
- ビジネス機会損失の防止
- 競争の優位性
表2:システム構築がドリブンされるために重要な点
今回は「アジャイルとはなにか」ということを説明しました。次回は、アジャイル開発のメリットについて解説します。
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著者プロフィール
日本コンピューター・システム株式会社 新保 康夫(しんぼ やすを)
本部企画室 コンサルタント、ITコーディネータ/ITCインストラクタ、システム監査技術者。
1975年 日本コンピューター・システムに入社。システム開発に従事し、プロジェクトマネージャを経て現在、コンサルタント業務に従事する。コンポーネントベース開発やアジャイル開発にも関与する。 「ソフトウェアプロセスレベルを向上させるCMMI活用術〜ソフトウェア開発の品格」をThinkITにて掲載。
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有限会社アッズーリ 濱 勝巳(はま かつみ)
(有)アッズーリ 取締役社長。メーカ系ソフトウェア会社でファームウェアのプログラマを経て、フリーのエンジニアとして独立し、1999年に有限会社アッズーリを設立。オブジェクト指向、アジャイルプロセスを利用したエンタープライズアプリケーションを開発に従事し、現在は経営やプロジェクトマネジメントの視点でアジャイルプロセスを見つめ、情報システムベンダのあるべき姿を追求している。2003年よりアジャイルプロセス協議会副会長。
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