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AquaLogicによるESB環境の構築

第2回:ESBをサンプルで理解しよう
著者:サンモアテック  永田 明   2006/10/20
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プロキシサービスとビジネスサービス

   AquaLogic Service BusではAquaLogic Service Bus Consoleを使用して、コンフィグレーションするプロキシサービスを通じ、ビジネスサービス(エンタープライズサービスとデータベースなど)とサービスクライアント(プレゼンテーションアプリケーションやその他のビジネスサービス)との間にインテリジェントなメッセージブローカリングを確立します。

   プロキシサービスは、AquaLogic Service Busのローカルにホストされた仲介WebサービスのAquaLogic Service Busでの定義です。AquaLogic Service Bus Consoleを使用して、プロキシサービスのインターフェース、使用する転送の種類、およびメッセージフローの定義におけるメッセージ処理のロジックを定義し、ポリシーを設定することにより、プロキシサービスをコンフィグレーションします。

   AquaLogic Service Busメッセージブローカリングを使用すると、サービスクライアントはビジネスサービスと直接メッセージを交換するのではなく、仲介プロキシサービスを経由してメッセージを交換します。プロキシサービスのインターフェースは、通信するビジネスサービスと同じにすることも、異なるものにすることも可能です。

   プロキシサービスは複数のビジネスサービスにメッセージをルーティングできるため、通信するビジネスサービスに依存しないインターフェースを持つプロキシサービスをコンフィグレーションできます。その場合、メッセージを適切なビジネスサービスにルーティングして、ビジネスサービスのインターフェースで必要とされるフォーマットにメッセージデータをマップするように、メッセージフローの定義を設定します。

プロキシサービスの設定

   メッセージを受け付けるWebサービスを「Input」フォルダに作成します。「リソースの作成」から「プロキシサービス」を選択します。表2の設定を入力してサービスを作成してください。ここで記載していない項目に関しては、デフォルト設定のままで問題ありません。

サービス名
SampleWS
サービスの種類
WSDLWebサービス
SampleProject/WSDL/SampleWSDL
SampleWSSoapPort
プロトコル
http
エンドポイント
/SampleWS

表2:プロキシサービスのコンフィグレーション(入力元のWebサービス受信設定)

   Webサービスの情報を設定するには「WSDLWebサービス」にチェックを入れて、「参照」ボタンをクリックしてください。新しく開いたウィンドウに表示されている「SampleWSDL」をクリックして、ポート「SampleWSSoapPort」を選択して「送信」ボタンをクリックしてください。図4のように設定が反映されます。「次へ」ボタンをクリックして各設定の確認を行います。

プロキシサービスのコンフィグレーション
図4:プロキシサービスのコンフィグレーション
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


ビジネスサービスの設定

   次にメッセージの送信先を指定するビジネスサービスを設定します。「Output」フォルダに移動して「リソースの作成」から「ビジネスサービス」を選択します。プロキシサービスと同じように表3、4の設定をしてください。

サービス名
SampleFile
サービスの種類
任意のXMLサービス
プロトコル
ファイル
エンドポイントURI
file:///C:/ThinkItSample/FileOut

表3:ビジネスサービスのコンフィグレーション(出力先のファイル作成設定)

サービス名
SampleJMS
サービスの種類
任意のXMLサービス
プロトコル
JMS
エンドポイントURI
jms://localhost:7001/SampleConnectionFactory/SampleQueue
メッセージの種類
テキスト

表4:ビジネスサービスのコンフィグレーション(出力先のJMS送信設定)

   今回は、AquaLogic Service Busの重要な部品であるビジネスサービスとプロキシサービスを中心に解説して、実際にビジネスサービスとプロキシサービスを設定しました。次回は、メッセージフローを追加して、動作確認を行います。

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サンモアテック 永田 明
著者プロフィール
株式会社サンモアテック   技術開発事業部   永田 明
1999年入社。J2EEコンポーネントのエンタープライズ適用を中心としたサントリーグループ向けの技術支援や、モバイルソリューションなど新技術の適用検証に従事している。


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