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Xen管理ツールの現状

第2回:品質重視のXenEnterprise
著者:びぎねっと  宮原 徹   2006/10/4
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パフォーマンスの監視

   Administrator Consoleの「Performance」タブをクリックすると、仮想マシンの以下の項目についてグラフで確認することができます。
パフォーマンスのグラフ表示画面
図5:パフォーマンスのグラフ表示画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

CPU Usage
CPU使用率(%)
Free Memory
未使用メモリ量(MB)
Disk Rate
ディスクの読み書き量(KB/s)
Network Rate
ネットワークインターフェースの通信量(KB/s)

表3:パフォーマンス画面の項目

   CPUとメモリについては、簡易表示となりますがAdministrator Consoleの上部に、XenEnterprise Server全体、さらに個々の仮想マシンの状況が表示されるようになっています。

仮想マシンのCPU負荷状態
図6:仮想マシンのCPU負荷状態
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


VMware Virtual Centerと比較して

   では、1回目に取り上げたVMware Virtual CenterとXenEnterpriseを比較してみましょう。

   まず気がつくのが、根本的な設計思想が異なっているということです。現状、XenEnterpriseのAdministrator Consoleは、VMware Serverで使用するリモートコンソール程度の機能しか実装していないということです。

   前回あげた4つのポイントで考えてみましょう。

一元管理
複数のXenEnterprise Serverに接続できますが、サーバ間でのやり取りなどは考慮されていません。
運用の自動化
機能が実装されていません。
リソースの最適化
リソースの使用状況を監視できますが、パラメータの動的な変更などはサポートされていません。また、Xenのライブマイグレーションもサポートされていません。
高可用性
基本的に1台のサーバを管理することしか考慮していないため、ライブマイグレーションやHAなど、高可用性に関わる機能はサポートされていません。

表4:管理ツールのポイントとXenEnterprise


まとめ

   機能の有無や良し悪しで考えてしまうと、XenEnterpriseはまだサポートされていない機能が多いため、やや見劣りしてしまうところがあるかもしれません。ただ、前述したとおり機能設計のレベルが異なっているものを直接比較しても、あまり意味がないことと思われます。XenSourceがリリースする最初の製品ということで期待感が大きかったのも事実ですが、製品としては機能は抑えめでクオリティ重視になっているというのが製品に対しての感想です。

   最初に触れたように、今後XenSourceはXenをベースにした製品をリリースする意図があるようなので、今後の動向に期待したいと思います。

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株式会社びぎねっと 宮原 徹
著者プロフィール
株式会社びぎねっと   宮原 徹
代表取締役社長兼CEO。OS/2上でMS-DOSやWindowsを動作させるVDM(Virtual DOS Machine)を皮切りに、デモ環境構築のためにVMware WorkstationやVirtual PCなどをいじっているうちに、すっかり仮想化技術にはまってしまった。


INDEX
第2回:品質重視のXenEnterprise
  XenEnterpriseの位置づけ
  XGTテンプレートの利用
パフォーマンスの監視