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テキストマイニング
顧客の声を活用するテキストマイニング

第1回:テキストマイニングとは

著者:野村総合研究所  神田 晴彦   2006/11/21
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顧客の声を活用する上での課題

   近年、このように多様なチャネルから収集した「顧客の生の声」を、いかにしてビジネスに有効活用するかが今、極めて大きな経営課題になっている。

   現在の市場はB to CにしろB to Bにしろ、顧客主導型になっているといえるためで、顧客が納得しない製品やサービスは、それがいかにコストパフォーマンスに優れていたとしても市場には受け入れられない。つまりは顧客の声を聞き、顧客が何を望んでいるのかを知ることは、ビジネスで生き残るためには必須条件になっているといえよう。

   さらにそれだけではない。例え一度市場に受け入れられた製品やサービスであっても、問い合わせやクレームなどに継続的に対応しなければ、すぐに他社のものにスイッチしてしまう。もちろんここでも、顧客の声を聞くことは避けては通れない。
顧客の声の活用のあるべき姿
図3:顧客の声の活用のあるべき姿
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ところが膨大な量のデータから、ビジネスに活かすべき有意情報を短時間で抽出することは、決して簡単なことではない。

   例えばコールセンタに寄せられた顧客のクレームが、仮に10,000件データベースに入力されている状態を想像していただきたい。

   これらのデータすべてに目を通し、内容を理解した上で関連部署に有益な情報を伝えるまで、いったいどれだけの時間がかかるであろうか。数日のうちに行えると回答できる企業は、決して多くはないはずである。「顧客の声」がビジネスに反映されるまで、おそらく数週間から数ヶ月の期間がかかるのではないだろうか。

   一方で「顧客の声」をビジネスに活かすまでに長い時間をかけているようでは、市場の迅速な動きについていけない時代になってきている。特に最近ではインターネットの普及によって消費者同士の「クチコミュニケーション」が活発になっているため、情報伝播のスピードが高速化しており、消費者行動も迅速化してきている。

   「顧客の声」をビジネスにフィードバックするスピードを飛躍的に高めなくては、現在の市場には対応できない。

   そこで本連載では、このような分析作業を支援し、得られた顧客の声を商品・サービス改善や業務改革に活用するために、様々な企業で利用されているテキストマイニングについて紹介していきたい。

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株式会社野村総合研究所  神田 晴彦
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所  神田 晴彦
野村総合研究所ビジネスインテリジェンス事業部にてテキストマイニングを活用したCS調査や、データマイニング分析コンサルティングを数多く手がける。近年はテキストマイニングによるBlog分析やFAQ構築、品質管理・経営層向けのポータルサイトの構築を実施している。また人材育成プロジェクトも担当し、日本で最初となるテキストマイニング認定試験の企画に携わる。


INDEX
第1回:テキストマイニングとは
  はじめに 〜顧客の声を活用するということ〜
顧客の声を活用する上での課題
  データマイニングからテキストマイニングへ