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徹底入門!! Red Hat Network

第4回:20,000台のRed Hat Enterprise Linuxを管理する方法

著者:レッドハット  藤田 稜   2006/12/11
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Satellite Model

   エンタープライズシステムのためのRHNが、RHN Satellite Serverです。端的にいってしまえば、Red Hatが米国に設置しているRHNセントラルサーバとほぼ同等のシステムを、ユーザのWebサイトに設置できる製品です。「ほぼ同等」と書いた理由は、以下にあげる追加機能が利用できるからです。
Monitoring Moduleの利用が可能
RHNセントラルサーバには全世界で数百万台のシステムが登録されているため、Monitoring Moduleは利用できません。しかしRHN Satellite Serverがユーザ側のWebサイトにあれば、Monitoring Moduleが利用可能です。
Sun Solarisを管理対象にすることが可能
S2L(Solaris to Linux)というシステム移行の場合、全面的にOSが切り替わる前段階として、SolarisとRed Hat Enterprise Linuxが混在する状況が発生するでしょう。RHN Satellite Serverは、Red Hat Enterprise LinuxだけではなくSolarisのサーバも管理対象とすることができるため、混在状況でも問題ありません。管理が可能なSolarisのバージョンは8/9/10(x86は9/10)です。またManagement Moduleによるグループ化やProvisioning Moduleによるキックスタートなどをサポートしています。

表2:Satellite Modelによる運用の際の注意点

   表2にあげた2点が主なものですが、RHN Satellite ServerはRHNセントラルサーバよりも機能が多いため、「ほぼ同等」と述べたのです。Satellite Modelのシステム構成は図4のようになります。

Satellite Model
図4:Satellite Model
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   RHN Satellite Serverは構築時にRHNセントラルサーバと通信する必要がありますが、その後はインターネット接続が必須ではありません。インターネットに接続しない場合、エラッタなどのデータはチャンネルコンテンツISO(CD-ROMイメージファイル)として配布されていますので、このデータをダウンロードしてRHNセントラルサーバと同期させます。

   カスタマイズコンテンツもRHN Satellite Serverによって利用可能です。サードパーティ製のアプリケーションのRPMパッケージを配布する際に、カスタマイズチャンネルを作成し、そのアプリケーションのアップデートがリリースされたらカスタマイズエラッタとして登録することもできます。もちろんProvisioning Moduleと組み合わせることで、Red Hat Enterprise Linuxに続いて、これらのアプリケーションのインストールを自動で行うことも可能です。

   RHN Satellite Serverは組み込み用のOracleデータベース(大規模な場合は外部のOracleデータベースを利用)に、チャンネルやエラッタ、RHNアカウント、システムプロファイルなどの管理に必要なすべてのデータを保持します。

   そのためRHNセントラルサーバを利用する場合のように、16桁のサブスクリプションIDを登録する必要はなく、組み込まれた認証キー(Cert Key)によって登録できるユーザシステム数が決まります(図5)。したがってRHN Satellite Serverを導入することで、サブスクリプションIDの管理も必要がなくなります。

CertKeyの例(実際に利用できるものではありません)
図5:CertKeyの例(実際に利用できるものではありません)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   冗長性を考慮して、複数台のRHN Satellite Serverを同一のWebサイトに設置したり、ディザスタリカバリ用に遠隔地に設置したりすることも可能です。拡張性だけを考慮するのであれば、1台のRHN Satellite Serverでも数千台におよぶユーザシステムを登録できます。

   またRHN Satellite Server上に追加の設定を行うことで、ベアメタルPXEキックスタートも可能です。PXE(Preboot eXecution Environment)はIntelが開発したネットワークブートの規格です。昨今のサーバ用NIC(Network Interface Card)では、ほとんどがこの規格をサポートしていますので、ネットワークに接続してサーバの電源を入れると、自動的にネットワークブートを行うことができます。

   RHN Satellite Serverでは、ネットワーク経由でLinuxのカーネルイメージを提供し、さらにキックスタートファイルを配信することで、自動的にネットワークインストールを行うことも可能です。したがって、新たに用意したハードウェアをネットワークに接続し、PXEの選択画面でRed Hat Enterprise Linuxのバージョン、例えば、Red Hat Enterprise Linux AS(v.4 for 32bit x86)のUpdate 4を選択し、インストールやWebサーバ用の設定を行うといったことが、すべて自動的に完了します。

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レッドハット株式会社 藤田 稜
著者プロフィール
レッドハット株式会社  藤田 稜
レッドハット株式会社 プリセールスエンジニア
ホスト・オフコンのSIer、WebのSIerを経て様々なOSに触れた結果、これからはLinuxだという確信を持ち2005年4月より現職。レッドハットのOEMパートナーやエンドユーザからの導入検討段階での技術的問題の解決、セミナーなどにおけるRed Hat Enterprise Linuxの技術情報の普及に努める。


INDEX
第4回:20,000台のRed Hat Enterprise Linuxを管理する方法
  はじめに
  Hosted Model
Satellite Model
  Satellite + Proxy Model