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改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - 管理ツール編

第2回:手軽なWeb管理ツールと強力な専用ツール
著者:日本ヒューレットパッカード  古賀 政純   2006/11/28
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監視エージェントで情報収集「Systems Insight Manager」

   数百台ものサーバを要するシステムで、個々のサーバに障害が発生していないかどうかや、インストールされているドライバがアップデートされているかどうか、OSのバージョンはどうなっているかなど、複数台のサーバ情報を一元管理したい場合があります。

   このような障害監視およびシステム統合ソリューションの一つとして「Systems Insight Manager(SIM)」があります。一般的にSIMサーバと呼ばれるこのソリューションは、数百台単位の監視対象サーバからの情報を一元管理します。

   SIMにはLinux版とWindows版、HPUX版がありますが、ここではRed Hat Enterprise Linux 4上で動作するLinux版「SIM for Linux」を紹介します。
Systems Insight Manager 5.0Update2 for Linuxのメインコンソール画面
図3:Systems Insight Manager 5.0Update2 for Linuxのメインコンソール画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


Red Hat Enterprise Linux 4へのSIM for Linuxのインストール

   ここでは、SIM for LinuxをRed Hat Enterprise Linux 4を組み込んであるProLiantサーバに対してインストールする手順について解説します。

   まずSIMサーバとして使用するサーバにProLiant Support Pack(PSP)をインストールします。

# tar xzvf psp-7.XX.rhel4.linux.en.tar.gz ←PSPを展開
# cd ./compaq/csp/linux/ ←LDUインストーラがあるディレクトリに移動
# ./install7XX.sh ←LDUインストーラの起動
# reboot

   続いてSIM for Linuxをインストールします。

# chmod u+x HPSIM-Linux_C.05.00.02.00.bin ←SIMのインストールキットに実行権限を与える
# ./HPSIM-Linux_C.05.00.02.00.bin ←SIMのインストール
# /opt/mx/bin/mxinitconfig -a ←SIMが使用するデータベースを作成

   最後にhpasmを再設定し、SIMサーバを再起動します。

# /etc/init.d/hpasm reconfigure ←hpasmの設定
# reboot ←SIMサーバの再起動

   Webブラウザを起動して、SIMサーバにログインします。

$ mozilla & ←ローカルまたはリモートからSIMにログイン

   SIMサーバのアドレスは以下のように指定します。

http://SIMサーバのIP:280


SIM for Linuxで監視する対象先の環境構築

   SIM for Linuxのインストールが終わったら、続けて監視対象ノード側の構築構築を行います。監視対象側にもPSPのインストールが必要で、特にhpasmでの設定が重要となります。

   監視対象側ではhpasmの設定でSNMPトラップの送信先ホストとしてSIMサーバを指定します。実際の手順は以下のようになります。

   まずSIMサーバからの監視対象ノードにPSPをインストールします。

# tar xzvf psp-7.XX.rhel4.linux.en.tar.gz ←PSPを展開
# cd ./compaq/csp/linux/ ←LDUインストーラがあるディレクトリに移動
# ./install7XX.sh ←LDUインストーラの起動
# reboot

   以下のコマンドを実行し、hpasmを再設定してSNMPトラップの送信先をSIMサーバのIPアドレスに設定します。再設定が終了したら監視対象ノードを再起動します。

# /etc/init.d/hpasm reconfigure ←hpasmの設定
<中略>
# reboot ←監視対象ノードを再起動

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第2回:手軽なWeb管理ツールと強力な専用ツール
  System Management Homepageによるハードウェア障害監視
監視エージェントで情報収集「Systems Insight Manager」
  SIMサーバから監視対象ノードにSSHで接続