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リッチクライアントを加速させるAjax開発環境「マスカット」の全貌
第1回:マスカットが変えるAjax開発環境
著者:
NTTデータ 川田 洋平
2006/11/30
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サーバアーキテクチャを選ばない
マスカットはクライアント側のアプリケーションを構築するためのフレームワークです。サーバとのやり取りはすべてXMLで行うため、XML通信さえ可能であればどのようなサーバアーキテクチャにも適用可能です。
2つの開発環境
マスカットでは、レイアウト定義XMLとイベント定義XMLを作成するためにWebブラウザ上で動作する「ブラウザ版IDE」とEclipse上で動作する「Eclipse版IDE」の2つのIDEが用意されており、用途によって使い分けることが可能です。
図2はブラウザ版IDEの画面です。ブラウザ版IDEでは、Webブラウザからレイアウト定義XMLを作成することができます。
図2:ブラウザ版IDE
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
図3はEclipse版IDEの画面です。レイアウトとイベントのマッピングをとりながらレイアウト定義XML、イベント定義XMLを作成することができます。
図3:Eclipse版IDE
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このように、ロジックとデザインを切り分けて開発できるようになり、MVCモデルの開発をより実践的に進めることができます。また、プレゼンテーションなどにも使えるため、顧客に対して強いアプローチができるようになります。
日本発のプロジェクト
マスカット公式サイトを見るとわかるように、マスカットに関する日本語情報は多数あります。日本語によるメーリングリスト、フォーラム、チュートリアル、リファレンスなど、日本発プロジェクトならではの充実ぶりです。すでにメーリングリストやフォーラムではユーザ同士、あるいはユーザと開発者間の意見交換が活発に行われています。
2006年11月17日現在、マスカットプロジェクトはSourceForge.jpの2,000を超えるすべてのプロジェクトの中で、「活発なプロジェクト」の1位にランキングされています。
Apache Licenseを採用したオープンソース
マスカットはライセンスとして、オープンソースライセンスの中でも制限が緩い「Apache License,Version2.0」を採用しています。これにはマスカット本体だけでなくIDEも含まれます。
マスカットのソースコードすべてがSourceForge上で公開されています。公開後、ユーザから数多くの機能要望やバグ報告が寄せられており、それらに対応する形で随時最新版をリリースしています。
このようにマスカットはオープンソースコミュニティによりメンテナンスされているため、継続的な機能拡張やバグ修正が期待できます。
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著者プロフィール
株式会社NTTデータ 川田 洋平
技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ エキスパート
同社の研究開発部門にてWebシステムの研究開発に従事。マスカットの開発には初期から携わり、オープンソース化後はマスカットプロジェクトのプロジェクト運営委員会(PMC)およびコミッタとして活動を続けている。
INDEX
第1回:マスカットが変えるAjax開発環境
Ajax開発の問題点
サーバアーキテクチャを選ばない
マスカットの導入効果