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第4回:ZABBIXのアラートメール送信
著者:ZABBIX-JP  寺島 広大   2007/1/31
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条件式のフォーマットは

   表1の「条件式」は、以下のようなフォーマットで記述します。
{<ホスト名>:<キー>.<関数>(<パラメータ>)}<演算式><定数>

   例えば「Lack of free memory on server localhost」のExpressionは次のようになります。

{localhost:vm.memory.size[free].last(0)}<10000

   これはホスト「localhost」のアイテム「vm.memory.size[free]」によって取得されたデータから、関数「last(0)」によって取り出された値が「10000」未満の場合にトリガーの状態がTRUEになることを意味しています。

   つまり、localhostの空きメモリ容量が10KB以下になった場合に、問題が発生しているという定義を行っている条件式です。

   このように、ZABBIXでは関数と演算式を用いて柔軟にトリガーの設定を行うことができます。上記の他にも以下のような条件式が利用できます。

({localhost:system[procload].last(0)}>5)|({localhost:system[procload].min(600)}>2)

   これは、現在のロードアベレージが5以上、または直近の10分以内のロードアベレージの最小値が2以上の場合にTRUEとなります。

({smtp1:check_service[smtp].last(0)}=0)&({smtp2:check_service[smtp].last(0)}=0)

   この場合には、クラスタリングされた「smtp1」と「smtp2」の両方のSMTPサーバから応答がない場合にTRUEとなります。

   上記の他にも、利用できる関数には前回取得したデータとの差分や、指定期間の平均値/最大値/最小値、最終値の1つ前の値など様々なものがあります。より詳細な情報はZABBIXのマニュアルやZABBIX-JPのWebサイトを参照してください。

ZABBIX-JP
http://www.zabbix.jp/
ZABBIX-JPドキュメント
http://www.zabbix.jp/modules/bwiki/

   トリガーの修正や新規追加はアイテムと同様に行うことができます。なお、取得したデータの単位(バイト、Kバイトや0/1など)はアイテムごとに異なるため、トリガーの修正の際は注意が必要です。


アラートメールの送信設定

   それでは、実際に問題が発生した際にメールを送信する設定を行ってみましょう。ZABBIXではトリガーがTRUEになった場合に行う動作を「アクション」と呼び、自動的に以下の動作を実行するように設定することができます。

  • メールの送信
  • スクリプトの実行
  • SMSの送信
  • リモートコマンドの実行

表2:アクションで実行できる項目

   また条件の設定は、ホスト/ホストグループ/トリガー/トリガー重要度/時間などを組み合わせて柔軟に行うことができます。アクションはテンプレートにも含まれないため、必要に応じて設定を追加する必要があります。

   今回はメール送信機能を用いた設定方法を説明します。


メールサーバの設定

   まず、ZABBIXがメールを送る際に利用するSMTPサーバを設定します。今回はZABBIXサーバをインストールしたマシン上で動作しているsendmailを利用します。

   まず「Configuration → General」をクリックして右上のドロップダウンリストから「Media Types」を選択し、表示された表の「Email」をクリックします。

メールサーバの設定
図3:メールサーバの設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   初期状態では「SMTP server」の項目が「localhost」になっています。ここではZABBIXサーバが動作しているマシン上のsendmailを利用するため、初期状態のまま変更する必要はありません。

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ZABBIX-JP 寺島 広大
著者プロフィール
ZABBIX-JP  寺島 広大
システムインテグレーション、ネットワーク運用管理を経験後、現在は某Linuxディストリビュータに勤務。顧客の監視システム構築の際にZABBIXを知り、仕事の傍らZABBIX-JP Webサイトの作成、管理を行っている。


INDEX
第4回:ZABBIXのアラートメール送信
  ZABBIXからアラートメールを送信
条件式のフォーマットは
  アクションの設定