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Oracleの達人
第1回:曰く、先駆者たれ - 新日鉄ソリューションズ 中西 大氏
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資格を仕事に活かす

   現在の部署では、Oracleベースの仕事ということもあり、Oracle Masterをはじめとした資格の取得が推奨されているとのこと。社内では、実は忙しく仕事をしている人ほどきっちりと資格を取得しているそうだ。

   なお、中西氏は過去にOracle Masterを取得したものの、それからまったく更新せず、失効している状態だという。

   「例えば勉強ができるという人がいて、じゃあその人は仕事ができるかというと、必ずしもイコールではありません。でも、仕事ができる人は勉強もできると思います。実際、Oracle Masterを取得できるくらいの知識がなくては仕事ができないと思いますが、資格があるから仕事ができるわけではありません。

   私自身はOracle Masterを取得した当時、まったく何も勉強しないで受験して、そのまま受かったという形でした。実際にお客様が運用で困っている、という部分での問題が中心で、重箱のスミをつつくような内容はあまりなかったことも、すんなりと取得できた理由でしょう。

   現在はOracleの内部の動きや機構をきっちりと理解していないと解けないような問題が増えています。普通に作業している点では必要のない知識も多いですが、実はチューニングの時には役立つのですよ」と、中西氏流の資格の活かし方を語ってくれた。


次世代につなげるOracleビジネス

   2005年12月、新日鉄ソリューションズでは日本初となる研究所をベンダー各社の協力を得て立ち上げた。そこではOracleをベースとしたグリッドユーティリティをはじめ、新しい技術やプロダクトの検証を行っている。

新日鉄ソリューションズ株式会社 中西 大    最近、9i RACや10g RACといわれ、一般的な技術となってきているが、研究所では世の中に先駆けて積極的に検証を行ってきたという。この先進性が新日鉄ソリューションズの魅力の1つだと中西氏は語る。

   「自分が興味を持っている部分でもありますが、ユーティリティコンピューティングにつながるような様々な技術の検証を私自身でも進めようとしています。例えばグリッドやプロビジョニングで動的にリソースを配分するであったり、VMwareやXenを使った仮想化ですね」

   新しい技術を試すのは会議よりも大好きという中西氏だが、最近入社した若手の技術者はまた違った意識を持っているという。

   「先日、社内のアーキテクティンググループが若手に対してアンケートをとりました。個々にいろいろやりたいテーマはあるようなのですが、どのように手をつけたらよいかわからないという意見が多かったのです」

   中には、何をやりたいかをどうやって探せばよいのか分からない、というケースもあったとのことだ。

   「技術の標準化や社内文書・情報の蓄積が進んでいるので、そういった情報を参考にすることで、若手でもシステム構築がスムーズに行えるようになりました。ほかのベンダーやお客様と特に込み入った話をしなくても物事が進んでいきます。

   一方で、逆にそういった部分から得られていた情報が少なくなっているような気がしています。若手も、もう少し積極的にお客様と話たり、トラブルに巻き込まれたりして様々な経験を積み、そこから情報を取れるようになれば、勢いがつくのではと思います」

   そこで中西氏は、若手技術者のさらなる成長を期待して、次のような仕事の流れを作っているとのことだ。

   「もう全部まかせてしまいます。『はい、これやって。結果だけ持ってきてね。困ったら相談して』といいます。誰かにまとめ役を任せる場合には、同じくらいのキャリア・スキルの人を下につけることで、お互いに考えを交換できるようにします。

   またあるときは立場が逆になることもあります。それぞれのマッチングを考えてプロジェクトメンバーを選抜することで、それぞれが自分で考えながら成長していくことを期待していますし、そういった関係を大切にしたいと思っています」


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