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アーキテクチャ
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仮想化プラットフォームとして、Virtual Serverは、仮想環境をホストするWindowsサービスと、Virtual Serverの構成を設定するWeb管理コンソールを提供しています。
Virtual ServerのコアとなるWindowsサービスでは、仮想環境ごとにスレッドが作成され、それぞれのスレッドが仮想環境の処理を行っています(図2)。

図2:仮想環境のしくみ
また、ネットワークへの接続を仮想環境に提供するため、Virtual Serverがインストールされたマシンのネットワークアダプタにフィルタドライバーが追加され、仮想環境からの外部環境への通信をこのフィルタドライバー経由で行っています(図3)。

図3:仮想環境のネットワーク
一方、Virtual Server構成管理のためのWeb管理コンソールでは、IISを利用しています。このWeb管理コンソールでは、ローカルマシンにインストールされたVirtual Serverを設定できるのはもちろんのこと、リモートのマシンにインストールされているVirtual Serverを管理することも可能です。
複数のマシンに分散したVirtual Serverを、このWeb管理コンソールから一括集中管理することもできるようになっているのが特徴です。当然Web管理コンソールですので、必要に応じてSSLなどのセキュリティ通信を行いながら、リモート環境からWeb管理コンソールにアクセスすることも可能です。
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64bit環境をサポート |
Virtual Server 2005 R2では64bit環境がサポートされました。この64bit環境のサポートというのは、Virtual Serverをインストールし仮想環境をホストする物理PCとOSが64bitの環境をサポートしたということです。残念ながら仮想環境として64bitはまだサポートされていません。これまで通りの32bit環境の仮想環境のみ利用できます。
しかしながら、64bit環境でVirtual Serverが使えることで、64bit環境の特徴である大容量の物理メモリを活用して、多数の仮想環境を1台のマシンでホストする場合に、Virtual Serverへ大量の物理メモリを割り当てられるようになりました。そのため1台のマシンでも、今まで以上に多数の仮想環境をホストできます。
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Virtual PCとの違い |
MicrosoftにはVirtual Serverと同様の仮想化プラットフォームとして、Virtual PCがあります。Virtual PCとVirtual Serverの違いを見てみましょう。Virtual PCはデスクトップアプリケーションとして動作するためVirtual PCを起動しているユーザーがログオフすると仮想環境もシャットダウンする、Virtual PCにはVirtual Serverのようなリソース割り当て制限機能や仮想SCSIサポートがない、Webによる管理コンソールなどがない、といった制限があります。しかし、Virtual PCでは仮想環境へ仮想サウンドカードが提供されているため、仮想環境からサウンドを再生できるという機能がVirtual PCにはあります。
またVirtual Serverでは、VMRC(Virtual Machine Remote Control Client)と呼ばれるリモートクライアントから実行中のバーチャルマシンを操作することもできます。
このような違いのあるVirtual PCとVirtualServerですが、ベースとなる仮想化プラットフォームは共通のため、Virtual PCで作成した仮想環境をVirtual Serverに移行して実行する、といったことが可能になっています。
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著者プロフィール
慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生 小野 雄太郎
Microsoft MVP for Windows Server - Networking, Jan 2004 - Jan 2007.
1982年生まれ。エンタープライズネットワークやIPv6といったネットワーク技術のほか、Windows Server Systemの設計や運用などを独学で習得。幅広い分野をひとりでカバーする。MCSEをはじめCCDA/CCNAといったベンダー資格も多数保有する。2004年より慶應義塾大学に在籍中。
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