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2006年注目を浴びたHOTキーワード10 |
前編:イントラブログ/SNS、見える化、ERP、SOX法、SaaS
著者:ThinkIT編集局 2006/12/28
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嵐の前の静けさ「迫りくる日本版SOX法」 |
2006年11月21日、金融庁のホームページに「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」の公開草案が公開された。2007年には11月20日までに収集されたパブリックコメントを受けて、最終的な実施基準がまとめられることになる。
様々な憶測が飛び交った日本版SOXが、ついにそのベールを脱ぐ。
連載「日本版SOX法への取り組み方」では、米国の事例を元にその対応状況について解説してきた。日本版SOX法への対応の際にも参考になる内容だ。また対応ソリューションもERPによるものからデータベースまで様々なものがある。特に日本版SOX法では、ITによる統制が強く求められており、2007年に実施基準が明らかになれば、今以上にこれらのソリューションに注目が集まるだろう。
施行後は、個人情報保護法の際と同様に様々な混乱が起きることが想定される。そして実際に大きな事件になるのは、その1年後の2008年だ。ThinkITでは、それら事故をただ取り上げるのではなく、どこに問題があったのかについて追求し、その対応を明確に示していきたい。
上場廃止の可能性もある日本版SOX法への対応は、もはや待ったなしのところまできている。今はまだ嵐の前の静けさといっても過言ではない。
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SaaSは本当にASP 2.0にすぎないのか |
本年を象徴するキーワードの1つとなっている「SaaS(Software as a Service)」は、注目を集めているものの、その実態はいま1つ見えにくいままである。
なぜならSaaSはネットワークを通じてソフトウェアの機能を提供するというデリバリモデルそのものであり、これまでにASPサービスとして展開されていたものと同じ印象を与えてしまうからだ。このため「ASP 2.0」と呼ばれることもあるのだが、否定的な意味合いなのか肯定的な意味合いなのかは、発言する人によって異なるだろう。
ASPとSaaSの大きな違いをあげるとすれば、それはASPが比較的企業の業務に直結したサービスを提供していたのに対し、SaaSはオフィス系アプリケーションや地図、スケジュールといった個人のツールをサービス化したものだといえるだろう。
これらのツールは企業内でも一般的に利用されていたものだが、導入コストや工数、保守といった面で様々な負担を企業に強いていた。ある意味でSaaSはこれらの保守や管理をアウトソーシングする1つの手段として活用されることとなるだろう。
コスト面については別の可能性もある。従来のアプリケーションは1本いくらのライセンス体系であり、基本的には「買い取り」という形となっていた。ハードウェアはリースできるがソフトウェアはその対象とはならず、さらに一部のソフトウェアを除いて試用できないこともあり、新規ソフトウェアの導入に二の足を踏むケースも多い。一方SaaSではバージョンアップ費用の必要がなく、常に最新のバージョンを利用できる点も大きなメリットとなるだろう。
また、SaaSアプリケーションの特徴として、1つのサービスがそこで完結せずに、複数のサービスが提供するAPIが連携することで「エンタープライズマッシュアップ」を実現できる点がある。
これらのメリットは、今導入が進んでいるシンクライアントの普及も後押しとなるだろう。Webベースで利用できるオフィス系アプリケーションや各種ツール群は、もちろんシンクライアントでも同様に利用できるからだ。
一方で、社内のデータを社外のサービスに頼る形で運用することに懸念を覚える企業も多い。SaaSはまだはじまったばかりだが、スタートの時点でセキュリティや情報保護といった面をサービス提供側がいかに打ち出せるかが2007年の鍵となるだろう。
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