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オープンソース×ERP
ERPに新勢力登場!オープンソースERP

第2回:ERPの選択基準

著者:Nexedi  奥地 秀則   2007/2/1
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選択基準のまとめ

   ここまで説明してきたソフトウェアの選択基準を表1にまとめます。
機能による選択
  • 必要な機能をカバーしているか?
  • 設定変更や拡張は容易か?
サポートによる選択
  • ベンダーはサポート要求に迅速に対応できるか?
  • 他社や社内で問題を解決することはできるか?
コストによる選択
  • 短期コストは予算以内か?
  • ライセンス費用などで、長期コストが高くなりすぎないか?

表1:ERPソフトウェア選択のポイント


オープンソースERPの長所

   表1の基準にしたがって、オープンソースソフトウェアがERPの選択において非常に魅力的であることを確認してみましょう。


機能で見るオープンソースERP

   必要な機能を持っているかどうかはライセンス体系とは直接関係しません。しかし、オープンソースERPは後発であるがゆえに、より最新のニーズに応えた設計がなされており、より拡張性に富む傾向があります。さらに、ソースコードが完全に提供されるので、必要であれば、コアシステムまで手を入れることが可能です。

   特に旧来のERPソフトウェアでは、強引な拡張や買収した他社製品との統合のため、ERP全体がつぎはぎになってしまい、機能モジュール間の連携が十分でなかったり、設計モデルの統一性に欠けているケースが見られます。劣悪なケースでは、リアルタイムで機能間の相互参照が行えない場合もあります。

   他方、本連載で取りあげるオープンソースERPの「ERP5」では、設計の段階から統一されたモデルを採用しており、これらの問題は存在しません。また、システムを停止することなく迅速に機能を追加したり設定を行うことができるので、その都度必要な機能を追加していくことができます。


サポートで見るオープンソースERP

   昨今では企業がオープンソースソフトウェアを開発したり、ビジネスサポートを提供することが一般的になっています。そのため、商業ベースで開発されているオープンソースERPにおいても、強力なベンダーサポートが期待できます。さらに、ソースコードが自由に利用できるため、第三者でもソフトウェアを管理・運用することが可能です。

   プロプライエタリなERPソフトウェアにおいては、ベンダーの倒産などにより、自社システムを改善することがまったくできなくなるというケースが実際に起こっています。こうしたケースでも、オープンソースなら、コミュニティによってメンテナンスを行ったり、ソフトウェアを解析してデータを抽出し、他のERPソフトウェアに移行するなど、様々な手段を講じることができるので、それまでの資産が無駄になることがありません。

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Nexedi 最高技術責任者 奥地 秀則
著者プロフィール
Nexedi 最高技術責任者
奥地 秀則

オープンソースERP「ERP5」の設計・開発に初期段階から関与し、現在ERP5の技術責任者を務める。服飾業、金融業、鉄鋼業、自動車産業、航空宇宙産業におけるERPプロジェクトを経験してきた他、社内外のエンジニアやコンサルタントのトレーニングを指揮している。


INDEX
第2回:ERPの選択基準
  ERPの選択にあたって
選択基準のまとめ
  コストで見るオープンソースERP