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| ERP5の事例研究 | ||||||||||
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ここまで解説してきたように、ERP5の導入にかかわる全体の流れとしては、システムの利用者に対して積極的にノウハウの移転をはかるという点で、オープンソースの特色が見られますが、それ以外はその他のERPと大きく異なるわけではありません。では、なぜ多くの企業にERP5が選ばれ、またどのような特徴が評価されているのでしょうか。 |
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| 事例研究「Infoterra」 | ||||||||||
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Infoterraは上述の通り、エアバスの親会社として知られるEADSの子会社であり、ドイツの偵察衛星「TerraSAR-X」の撮影画像を提供している企業です。 EADSではSAP R/3を中心にERPを利用してきたため、InfoterraにおけるERP導入においても、SAPの製品は筆頭候補にあがりました。その一方、ヨーロッパ第3位のコンサルティング企業Unilogに推薦されたのがERP5でした。そして、何ヶ月にもわたる協議の結果、最終的にERP5が選ばれました。その理由はきわめて機能的な観点に基づくものでした(表1)。
表1:InfoterraにおけるERP5採択理由 InfoterraがERP5を選択したのはオープンソースソフトウェアだったからではなく、機能上の利点が強力であったためです。この点は注目に値するのではないでしょうか。 |
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| 事例研究「Ventis」 | ||||||||||
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Ventisはポーランドを拠点とする、スタジオ撮影機材を生産する中規模の会社です。Ventisの事例で興味深い点の1つは、オープンソースの強みを最大限に活かしたことです。 ポーランドは近年経済成長が著しいものの、物価の違いもあり、外国企業へのライセンス料の支払いがとても困難です。そのためポーランドはいち早くオープンソースソフトウェアに注目しはじめた国家です。 Ventisはコストメリットおよびカスタマイズの自由度の高さから、オープンソースERPの導入を真剣に検討しました。ここでVentisが有利であった点は、ITの重要性を認識し、優秀な技術陣を備えていたことです。そのため、ソースコードが自由に利用できるのであれば、ERPベンダーに全面的に依存することなく社内開発を行うことが可能でした。 Ventisのとった戦略は、ポーランドにおけるNexediのパートナー企業Redpointとサポート契約を結び、社内技術者をNexediで短期養成させることでした。この方法によって、限られた予算を有効利用し、社内開発を中心に自社システムを構築することに成功しました。 比較的単純なシステムであるとはいえ、6ヶ月程度で開発を完了しました。Nexediのようなベンダーに依頼するのに対し、若干長い時間がかかりましたが、支出額をその分削減することができたのです。 Ventisの事例はオープンソースソフトウェアの最大の長所を引き出した成功例として、オープンソースERPに関心を持つ方にとって、大いに参考になるのではないでしょうか。 |
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| まとめ | ||||||||||
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本連載では、ERPの潮流を変えるオープンソースソフトウェアを解説してきました。ERPは企業資源を管理・企画するシステムであり、eビジネスのような新たな機能が統合される一方、より利用者に優しい形態としてオープンソースERPが生まれました。オープンソースERPは機能、コスト、サポートなどの基準において、旧来のプロプライエタリERPより優位であるため、オープンソースERPの導入が盛んになりつつあります。 中でも、ERP5はオープンソースであるだけでなく、現場のニーズに応えるERPソフトウェアとして、機能上の長所を併せ持っています。ERP5はすでに中小企業から大企業、官公庁まで採用実績を持っており、その採択理由には、機能的な観点もあれば、コスト上の観点もあります。 このように、オープンソースERPは実務で十分使える段階に達しています。これからERPを新規導入しようと考えている方、既存のシステムをリプレースしようと検討している方は、オープンソースERPを選択肢の1つに組み入れてみてはいかがでしょうか。 |
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