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情報の開放が経営を変える戦略的情報活用へのアプローチ |
第2回:何故、情報活用ができていなかったのか
著者:サイベース 富樫 明 2007/1/29
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レポーティングツールは「ツールの機能ありき」で考えないこと
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どのようなデータが提供できるのかということを利用者に開示できれば、それをどのような情報として分析して何に活用できるのか、という知恵はおのずと利用者の中から湧き上がってきます。現実に情報システム部門の活動とは関係なく、多くの社員がMicrosoft Excelといった表計算ソフトを使い、どこからか必要なデータを入手し、分析を日常的に行っています。
この知恵を活かすためには、ユーザが使える適切なツールを提供することが必要になります。ツール選択の基準となるのが、ユーザのITリテラシーとレポートの柔軟性に対する要求です。
一般的に、役職が高くなるほどITリテラシーは低下します。また、現場に近いほど自らデータ加工したいという意欲は高くなります。この観点でユーザをグループ分けし、あるグループにはあらかじめ条件設定した複数の直感的なレポートを準備して、あるグループにはとにかくMicrosoft Excelに好きなデータを取り込める仕組みを用意する、といった柔軟な対応を行うことで、情報活用を全社的に広めていくことが可能になります。
また「ツールとデータを提供しますので、後はご自由に」というアプローチによる失敗事例から学ぶ教訓として、ユーザ部門と情報システム部門の間に位置し、ユーザに活用促進の啓蒙と教育を行う役割を担う人々をアサインするという方法などを検討することも重要です。
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従来のデータベース技術で、分析系データベースを構築するのは無理
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分析用のデータを保管するデータベースいわゆるデータウェアハウスは、一般的なリレーショナルデータベースの技術では対応が困難です。リレーショナルデータベースは、業務アプリケーションからのインプットを正確に記録することを目的として発展してきたもので、大量のデータに多数の利用者が頻繁に、そしてランダムにアクセスを繰り返すというオペレーションに対しては、十分な性能を提供できるようになっていません。
しかしながら従来の業務用データベース製品を使い、データウェアハウス/データマートを構築しているケースが非常に多く、表2に示した分析系データベースにおける問題の多くはこのことに起因しています。
さらにこれらの問題を解決するために、チューニング作業に大きな工数をかけたり、サーチエンジンを組み合わせたり、ハードウェアの容量で性能問題に対応したりといった、いわゆるワークアラウンド的な対応がなされてきました。
業務トランザクション用のデータベースと同じ製品でデータウェアハウスを構築した方が管理面の効果が大きいという議論は本質的ではなく、異なるテクノロジを採用するといった発想の転換が必要な分野です。
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データ連携ソフトを活用することで生産性は格段に向上する
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業務データベースからデータウェアハウス/データマートにデータを送り込むデータ連携の仕組み構築は、簡単な作業ではありません。この仕組みが脆弱であれば、分析系データベース内のデータは不完全となり、意思決定に役立つ分析を行うことが困難となるためです。
実はこの構築作業と導入後の運用の難しさは、自社開発プログラムによる対応に起因します。要件の変更、ソフトウェアバージョンの変更、システム構成の変更など、すべての環境変化に対し、自社で対応を行わなければならず、ソフトウェアを安定させるためのバグ対応も自社で行わなければなりません。
現在は、わかりやすいGUIベースのノンプログラミング開発環境を持つETLツール(Extract Transform Loading:抽出、変換、格納)が存在し、自社のデータ連携ニーズ、高速性、連携可能製品などの視点で、ツール選定を行うことが可能です。
- 分析・レポーティング
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- 豊富なデータ提供
- ITリテラシーの判断
- レポートの柔軟性に対する要求
- 啓蒙・教育
- コスト
- 分析系データベース
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- 大量のデータ
- 大量のアクセス
- サマリデータではなく、明細データを保管
- 従来のデータベースとは異なるテクノロジー
- 性能・コスト
- データ連携
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- 自社開発からの脱却
- データ連携ニーズ・高速性・連携可能製品
- 使いやすさ
- コスト
表4:情報活用の3大課題に対応するためのキーワード
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著者プロフィール
サイベース株式会社 マーケティング本部 本部長 富樫 明
日系大手コンピュータメーカで海外ビジネスに21年間携わった後、ベリタスソフトウェア、シマンテックでマーケティングに従事。2006年より現職。著書に「内部統制今知りたい50の疑問」
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