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徹底比較!! グループウェア
第1回:変革するグループウェア〜普及までの経緯と現在
著者:
アイ・ティ・アール 三浦 竜樹
2007/2/22
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今、なぜグループウェアを再検討するのか
2006年からグループウェアのアップグレードおよび移行に関する問い合わせが当社にも多く寄せられている。では、なぜ今グループウェアのアップグレードまたは移行を検討する企業が増えているのであろうか。
Web 2.0時代のグループウェア「次期コラボレーション基盤への期待」
プロセス化が進展した企業に対して、より広範な情報・ナレッジの共有とコラボレーション環境を提供するため、グループウェア製品は様々な機能を付加し、すでにコラボレーション基盤へと変化してきている。例えばIBMやMicrosoftでは、それぞれグループウェア製品にIMやWeb会議ツールを統合あるいは密に連携する形で提供している。
また、近年インターネット上で急速に普及したWikiおよびブログ、ソーシャルネットワーキングサイトやブックマーク共有機能も着実に搭載されてきている。MicrosoftはSharePoint Server 2007においてブログやWikiに対応しており、国内ではサイボウズが2006年10月より社内ブログツールのβ版をダウンロード提供している。またネオジャパンも9月から、イントラブログ製品「desknet's Blog」の販売を開始している。
加えて、Ajaxに代表されるリッチクライアント技術の採用により、クライアント/サーバ型ではクライアントソフトウェアの導入・運用コストを削減でき、Web型ではデスクトップアプリケーションと同等の操作感を提供できるようになったことも、グループウェア製品への注目が高まっている要因である。
その他、グループウェアのアップグレードおよび移行を検討させる要因
ここまで解説してきたように様々な機能が追加されたグループウェアはコラボレーション基盤へと変化しており、最近グループウェアの動向に再び注目が集まっている。実際に図2に示すように2007年度の投資意欲は高まっており、依然としてグループウェアに求められる機能も高い数値となっている。
図2:アプリケーション分野への注力度指数の変化(2005年度〜2007年度予定)
出典:「IT投資動向調査2007」CIO Magazine, ITR
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
その背景の1つに、グループウェアのサポート期間が影響している。特に、Lotus Notes/Domino 6のサポート期限が2007年4月に切れる影響は大きいであろう。日本IBMによると、Lotus Notes/Domino 6ユーザの大半は現行バージョンに移行したとしているが、すでにサポートが切れているバージョンを使い続けているユーザも含めれば、約600万のユーザが存在しており、彼らが国内のグループウェア市場に与える影響は大きい。
加えて、2007年のWindows Vistaのリリースに伴い、PCリプレイスを検討している企業では、企業投資動向が上向きの現在、大規模展開が必要となるオフィススイートやグループウェア製品も同時に検討することが影響している。
最後に
本連載では、グループウェア製品を核とした情報・ナレッジ共有や、導入企業における今後のコラボレーション基盤への取り組みなどを、各社の事例を中心に紹介していく。
また、連載最終回では今後の情報共有/コラボレーション実現のためのナレッジワーカーを支えるソリューション像について述べる。本連載がグループウェアを活用している企業のノウハウの吸収と、関連技術の動向把握に役立てていただければと思う。
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著者プロフィール
株式会社アイ・ティ・アール 三浦 竜樹
カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校卒業後、広告代理店にて主にITベンダーのマーケティングプラン策定、広告戦略に携わる。2001年4月より現職。モバイルやリモートアクセス・ソリューション、グループウェアを中心としたコラボレーション基盤、および仮想化分野を主に担当する。
INDEX
第1回:変革するグループウェア〜普及までの経緯と現在
コミュニケーション・情報共有ツールとしてのグループウェアの浸透
Web型グループウェアの台頭
今、なぜグループウェアを再検討するのか