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OSS+SNS
新しいSNSのカタチ

第2回:OSSを使ったシステム構築

話者:セキュリア  久保 美恵子   2007/4/18
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memcached

   そこで、ロードバランサの特出した機能に左右されないセッション維持方法を調べ、memcachedを見つけた。これを使うことで、ロードバランサは基本的な設定のみで、後はアプリケーション側をmemcachedに対応させるだけで動作可能となった。そうして、喧騒の時間の短縮化をはかることができた。
ロードバランサに対応させたシステム構成
図3:ロードバランサに対応させたシステム構成
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   また、ファイルサーバにNFSを採用したことでデータベースサーバ、Webサーバの負荷を大きく減らすことができた。

   もしこのとき商用のソフトウェアを選択していたら、きっと間に合っていなかったであろう。まさにOSSの「情報量」が功を奏したといえる。もちろん無事にイベントを乗り切ったのはいうまでもない。


OSSにおける課題

   今回はWillbeeがOSSを活用して構築されたことを説明してきた。もちろんOSSに問題がないわけではない。OSSで課題となっているのは、エンジニアの持つノウハウと信頼性であろう。

   OSSは使うエンジニアのスキル・ノウハウによって、パフォーマンスから機能の幅まで大きく変わってしまう。「エンジニアがどれだけノウハウを持つことができるか」、また「情報を抱え込まず、共有していけるか」が重要な課題といえる。

   情報という面においては、日本国内よりも海外(特に米国)の方が進んでいる。日本人特有の問題でもあるが、海外のフォーラムやWebサイトから臆することなく情報を集めることは、日本人エンジニアにとって大きな課題といえよう。

   また信頼性についていえば、OSS自体の信頼性が論じられるよりも、やはり「有償ではない」という意識が働き、単なるイメージとして信用度が商用アプリケーションに比べて低く思われがちだ。とはいえ、非常に多くのWebサイトはOSSで作られているという事実もある。

   OSSに関わる者として開発事例をたくさん公表し、実績をアピールすることで信頼を勝ち得ていかねばならいないということも大きな課題といえよう。

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株式会社セキュリア  久保 美恵子
著者プロフィール
株式会社セキュリア  代表取締役社長  久保 美恵子
2004年1月セキュリア設立、ASP向けアプリケーションの開発・ライセンシングをメイン事業とする。2006年3月フィリピンのパートナー企業と合弁でアライアンス・ソフトウェア・ジャパン株式会社を設立。ブリッジエンジニアリング専門の会社として、現在フィリピンの開発会社と連携して、受託開発を含めた開発を行う。


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