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XMLデータベースによる企業情報システム構築の最前線
第1回:NeoCore XMSで紐解くXMLデータベース適用の勘どころ
著者:
ウルシステムズ 高橋 嗣
2007/2/1
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NeoCore XMSの使いどころ
次に、企業情報システムにおいてNeoCore XMSが効果的に活用できる場面を、以下の3つの視点から見ていくことにする。いずれも、今後企業内における情報システムのあり方に関わるものだ。
新しいビジネスの創出
創造的な業務の支援
仕様変更に強い開発プロセス
表1:今後のビジネスで求められる活用範囲
それぞれの場面で、NeoCore XMSの特徴がどのように活かされるのかを見ていくことにしよう。
新しいビジネスの創出
これまでにない新しいビジネスを生み出すための着眼点として、最も注目されているのが「半定型文書」の処理だ。半定型文書とは、全体的には共通の構造を持っているが一部の構造が状況に応じて変わるような文書のことである。
定型文書は構造が完全に決まった文書であり、業務上発生する伝票処理などがこれに該当する。また非定型文書は、ワープロなどで全く自由な書式で書かれた企画書などの文書のことだ。
半定型文書はこのどちらの性質も併せ持った文書で、これこそがNeoCore XMSが最も効果的に使える場面となる。
半定型文書の具体例としては以下のようなものがあげられる。
電子カルテなど医療に関わる情報
多種の商品情報が掲載されたカタログ
提案書などの営業資料
設計書など製品開発にともなう資料
表2:非定型文書の具体例
これらは高い自由度が求められながらも、ある一定の共通構造を利用した処理を行う必要があるものだ。
例えば、携帯電話のように次々と新しい機能が増える製品の開発に関し、色々な角度で比較検討を行えるような電子カタログの作成、販売した顧客/製品構成について類似する提案を見つけることのできる営業支援システムなどでは、必要な部分を構造化したXMLデータとして扱うことによって、これまでできなかったサービスの提供が可能になる。
こうした「新しいサービスの提供=ビジネス創出」は、半定型文書の処理によってその可能性を広げている。
NeoCore XMSは、単にXMLデータを扱えるというだけでなく、ビジネスによって蓄積された大量のXMLデータを高速に検索できる基本性能の高さを備えている。こうした場面で使われるXMLデータはサイズが大きく、数100GBクラスのデータを扱う性能が求められる。NeoCore XMSの持つ高速検索性が、このデータをストレスなく扱うことを可能にする。
創造的な業務の支援
半定型文書の処理は新しいサービスの創出だけでなく、企業内の業務支援にも効果的だ。これまでRDBを用いて支援してきたのは、基幹のデータを扱う定型的な業務だった。しかし、ビジネスをより深く進めるためには、それだけでは実現できないものもある。
NeoCore XMSが支援するのは、これまで企業内に蓄積されていたにも関わらず、RDBでは容易に活用できなかった半定型文書を用いた、創造的な業務が中心となる。
例えば、商品やサービスに寄せられる様々な問い合わせや要望、クレーム情報、購入顧客情報などから、多様化する顧客ニーズを分析して商品企画を支援するといった使い方が考えられる。また、営業レポートから拠点ごとのトレンドなどを調べ、新規ビジネス提案に活用することも可能だ。
図3:半定型文書の処理による創造的な業務の支援
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
これらの情報を扱うためには、データ構造を定義するスキーマを気にすることなく登録・活用できる高い柔軟性が求められる。スキーマを定義し情報が制限された定型化データでは、データそのものの自由度を失ってしまう。
しかしウェルフォームドXMLに対応したNeoCore XMSならば、このようなデータを自由度と価値を保ったままで扱うことが可能で、創造的な活動を支援できる。
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著者プロフィール
ウルシステムズ 高橋 嗣
前職ではRDBの性能や適用範囲について多くの知見を求められる基幹系システム構築に従事し、設計〜保守運用までを担う。現職では業務コンサルティングに従事する中でXMLDBに出会い、RDBとは異なったXMLDBならではのビジネスソリューションの可能性を追っている。
INDEX
第1回:NeoCore XMSで紐解くXMLデータベース適用の勘どころ
今求められる性能を備えたXMLデータベース「NeoCore XMS」
NeoCore XMSの特徴
NeoCore XMSの使いどころ
仕様変更に強い開発プロセス