第2回:Webカタログ管理システムに見るNeoCore XMS採用のメリット (3/4)

第2世代/NeoCore XMS
XMLデータベースによる企業情報システム構築の最前線

第2回:Webカタログ管理システムに見るNeoCore XMS採用のメリット
著者:ウルシステムズ  伊奈 正剛   2007/2/21
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NeoCore XMSを採用したWebカタログ管理システムとは

   この問題を解決するために、キヤノンシステムソリューションズの新しいWebカタログ管理システムでは、NeoCore XMSを中心としてXMLベースのアーキテクチャを採用したデータベースを構築し、自社内でのWebカタログ更新を可能にした。

   このWebカタログ管理システムの構成は図4のようになる。
システム構成図
図4:システム構成図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Webカタログ管理システムのXMLデータベースには、製品データ/項目定義/表示設定の3種類の情報が格納されている。

   製品データは、その製品の仕様情報を記述したXMLデータで、特性をあらわす様々な項目に具体的な値を対応づけたものである。例えば電子部品であれば「電圧」の項目に「16V」という値が対応づけられる。

   項目定義は、製品データにどのような項目が含まれていて、その項目のデータ型や単位が何かを示したXMLデータとなっている。例えば、ある製品データに「電圧」という項目があるかどうかは、この項目定義に記述される。製品には、大分類/中分類/小分類があり、項目定義は各分類の中にどのような項目があるのかを示している。この項目定義と製品データの関係は図5のようになっている。

項目定義と製品データのXMLデータ構成例
図5:項目定義と製品データのXMLデータ構成例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   表示設定は、製品データをWebブラウザ上でどのように表示するかを定義したXSLTと呼ばれるスタイルシートで管理する。これにより、製品データに含まれる項目がWebブラウザ上でどのように表示されるかが決定される。例えば「電圧」の項目は「表形式」で表示するといった情報が記録される。


登録業務はExcelで行う

   Webカタログ管理システムを運用するにあたり、ユーザが製品データや項目定義の登録を行うインターフェースとしてExcelを採用している。

   製品データを登録する際にはまず項目定義をExcelで行い、システムへの登録時にXMLデータに変換しデータベースに格納される。この項目定義のXMLデータを基に実際の製品データの登録に必要なExcelシートが作られる。この入力用のExcelシートに製品のデータを記述すると、個々の項目に対応した項目定義情報にしたがってXMLデータがデータベースに格納される。

   このように登録されたデータをWebブラウザでどのように表示するかは、XSLTによって決められている。このXSLTは、Webブラウザ上のアプリケーションを使って登録を行う。ここでは、登録済みの項目定義の内容に対し、表形式や箇条書きをはじめ、どのような表示を行うかの選択肢を表示し、ユーザの選択によって実際のHTML生成を行うためのXSLTが作られる。

   製品データはこのXSLTを使用し、公開したいタイミングにあわせて最終的なHTMLファイルとしてWebサーバにキャッシュされる。

   このシステムによってWebカタログに製品情報を追加するプロセスは図6のように変化した。

NeoCore XMSを使用したWebカタログ管理システムの流れ
図6:NeoCore XMSを使用したWebカタログ管理システムの流れ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   この変化によって各担当者の役割が明確化し、表1のような分担が実現した。

  1. 製品開発の担当者が追加する製品の項目設定をExcelに記入してシステムに登録
  2. 事務担当は製品データを入力するExcelシートを出力し、製品データをそのシートに記入してシステムに登録
  3. 広報宣伝部の担当者がWebブラウザからWebカタログの表示形式を決定

表1:各担当者の分担と作業の流れ

   いずれの作業も社内で完結できるため、これまでは外部の業者を使って紙カタログの組版の完了を待たなければできなかったWebカタログの更新が、数時間でできるようになる。

   この仕組みで必要になるすべてのXMLデータはNeoCore XMSによって一元管理されている。このため、製品の選択からその表示の生成までを高速に行うことが可能になる。さらにWebカタログ管理システムでは、リアルタイムの検索とキャッシュデータからの検索を併用することにより、インターネットからWebカタログへアクセスする際に高いレスポンスを実現している。

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ウルシステムズ 伊奈 正剛
著者プロフィール
ウルシステムズ  伊奈 正剛
前職よりEDI、B2B、EAIといったシステム構築を中心に、XMLを駆使したシステムの開発に携わる。現職では、流通業界向けの次世代XML-EDIシステムの構築とその導入コンサルティングに従事するかたわら、XMLデータベースのビジネス活用に向けて検討を進めている。


INDEX
第2回:Webカタログ管理システムに見るNeoCore XMS採用のメリット
  NeoCore XMSを採用したWebカタログ管理システムとは
  ビジネスニーズに応えるNeoCore XMS
NeoCore XMSを採用したWebカタログ管理システムとは
  短期開発を可能にしたNeoCore XMS
XMLデータベースによる企業情報システム構築の最前線
第1回 NeoCore XMSで紐解くXMLデータベース適用の勘どころ
第2回 Webカタログ管理システムに見るNeoCore XMS採用のメリット
隠されたニーズを引き出すXMLデータベース
第1回 その必然と当然
第2回 その要求と分類
第3回 その必要と条件
作って学ぶXMLデータベースNeoCore XMS実践
第1回 XMLデータベースを使ったシステムを企画する
第2回 半定型文書を扱うシステムを設計する
第3回 XMLデータベースを構築し、検索式を設計する
第4回 検索式を組み込んでシステムを完成させる(前編)
第5回 検索式を組み込んでシステムを完成させる(後編)
第6回 PICLS〜XMLデータベースを用いた販促ツール作成支援

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