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ThinkIT Sight
第2回:企業の情報の扱い方が変革する「XMLデータベース・Ajax」
著者:
ThinkIT編集局
2007/2/5
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これからの企業内アプリケーション環境が様変わりする
「Google Maps」「Google Suggest」「GMail」などは読者の皆さんも日ごろから活用しているWebアプリケーションの1つであろう。これらのAjaxを活用したリッチなWebアプリケーションは、従来のWebアプリケーションの常識を覆し、ユーザの操作がリアルタイムでアプリケーションに反映されるという快適さを実現した。
そもそもAjaxとは、Asynchronous JavaScript + XMLの略で、以下のようなオープンスタンダードなWeb要素技術を組み合わせた手法である。
Web要素技術
Ajaxにおける役割
XHTML/CSS
プレゼンテーション
DOM
画面の動的更新とインタラクション
XML/XSLT
データの交換と操作
XMLHttpRequest
非同期データ通信
JavaScript
XHTML/CSS、DOM、XML/XSLT、XMLHttpRequestのバインドとハンドリング
表1:Ajaxを構成するWeb要素技術
これらの技術は決して新しいものではなく、1990年代末期にはすでに登場していた。しかしWebブラウザの機能の限界や回線容量の問題により、普及には至らなかったのである。
しかし米Googleはこれらの技術を改めて見直し、多様なプラットフォームに対応してWebブラウザだけで利用できる非常にリッチなWebアプリケーションを実現した。Googleが提供したこれらのサービスによって、Ajaxが一躍注目を集めるようになったといえるだろう。
しかもAjaxはマッシュアップに代表される「サービスを部品として使ったサービス」を実現した。これにより、例えば自社サービスの一部にGoogle Mapsの地図を組み込み、自サイト内だけで完結する地図サービスを構築するようなことが可能になったのである。
図1:Google Maps APIによりGoogle Mapsに不動産情報を重ね合わせた例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
しかし、Ajaxを用いたWebアプリケーションの開発手法はいまだに発展途上であり、商用の開発レベルには到達していないという見方がある。その要因として「JavaScriptの生産性の悪さ」「統合開発環境の未整備」などがあげられる。
そこで今注目を集めているのが、Ajaxベースのリッチクライアント開発フレームワーク「マスカット」だ。マスカットは、NTTデータが主体となって開発を進め、2006年9月にはオープンソース化し、現在ではSource Forgeにて開発が進められている。
マスカットプロジェクト情報
http://sourceforge.jp/projects/maskat/
マスカット・プロジェクトホームページ
http://maskat.sourceforge.jp/
連載「リッチクライアントを加速させるAjax開発環境『マスカット』の全貌」では、マスカットの活用方法としてサンプルアプリケーションを構築する方式について解説している。
また、マイクロソフトでもAjax開発のための統合開発環境である「ASP.NET AJAX」の提供を開始した。ASP.NET AJAXはAjaxアプリケーションを容易に開発することを目的にしたインタラクティブなフレームワークで、ASP.NETとIISに統合しているため、ASP.NETのコントロールやサービスを簡単に利用できる。ASP.NET AJAXはマイクロソフトのWebサイトよりダウンロードすることができる。
関連連載
Ajaxではじまるサービス活用
第1回:サービスを活用するAjax時代の到来
リッチクライアントを加速させるAjax開発環境「マスカット」の全貌
第1回:マスカットが変えるAjax開発環境
今後、マスカットやASP.NET AJAXのようなAjax開発を支援するツールやライブラリが次々と登場し、機能も強化されていくことになるだろう。そうなれば、使い勝手がよく画期的なサービスを実現するAjaxのWebアプリケーションが多数提供されていくことになる。大手ベンダー各社もAjax戦略を強化しており、ますますその動向が注目される。
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