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第2回:企業の情報の扱い方が変革する「XMLデータベース・Ajax」

著者:ThinkIT編集局   2007/2/5
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いまITシステムを取り巻く潮流はどうなっているのか。それらを解き明かすのが、各所で話題となっているキーワードである。昨年にはCRMや2007年問題、BPMなど、いくつかの言葉が各方面で取り上げられてきた。今年以降、よりシステムの根幹のみならず企業全体を左右する言葉が注目されてくるに違いない。この連載では、毎回いくつかのThinkITが注目するキーワードを取り上げ、ITシステムの今後にどのように影響を与えるのかを考察していく。
XMLデータベース
自社ビジネスを分析できる目がXMLデータベース活用の鍵

   ビジネスを通じて集められた膨大なデータを管理するために、企業システムとデータベースは切っても切れない関係が生じている。データを登録・管理し、さらに目的にあった情報を取り出せるようにするためには、大容量のデータを高速に管理する性能が求められる。

   これまで企業システム内ではリレーショナルデータベース(以下、RDB)がその中心的な役割を担ってきた。導入前に入念な設計を行えるビジネス環境が整っていれば、今もその地位に変わりはない。しかしビジネスの変化によって、扱うデータが頻繁に変わるような状況下では、データベースの再設計などで大きな時間のロスが発生することもあるのだ。

   特に最近では市場動向にあわせ、ビジネスそのものの構造を柔軟にし、短時間に対応することが求められている。この環境下では、ビジネス内容を分析し、必要な要素をもらさないように設計されるべきRDBは、変更作業に多くの時間を取られることになってしまう。

   そこで注目されているのがXMLデータベースだ。特にウェルフォームドXMLに対応したものであれば、RDBでのデータベース設計の中で大半を占めるといっても過言ではないスキーマ定義が不要であり、定型/非定型のデータが混在する、いわゆる半定型データ/文書などを柔軟に扱うことが可能で、柔軟に自社ビジネスに適応できる。

   従来はXMLデータベースというと検索時の速度面で不満の声があがっていた。しかしXMLデータベース自身の進化によって、その不満は解消されつつある。また、RDBとXMLデータベースを組み合わせた「ハイブリッド型」のシステム構築のノウハウも広がっており、1つのシステム内で混在させることによって双方の利点を活かせる環境も整ってきている(なお「ハイブリッド型」といった場合に、RDBにXMLデータを扱う機能を追加した製品を示す場合もある)。

   しかし、XMLデータベースはこれまでにも注目されてきたソリューションであると同時に「使えない」と評価されるケースがあるのも事実だ。しかしそれはXMLデータベースそのものの問題というよりも、自社のビジネスがXMLデータベースに適応できるものかを見定められなかったことに起因する場合が多数を占めるのだ。

   どのようなビジネスこそがXMLデータベースとの親和性が高いのか。そしてXMLデータベースを利用することで、どのようなメリットを得られるのか。その成功ポイントについては下記の連載を参考にしていただきたい。

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   今後、新しいビジネスの創出や展開といったフェイズにおいて、半定型文書を扱う目的に合致したXMLデータベースは重要な役割を担う。その際に適応のポイントを逃さないことで、大きな戦力となるだろう。

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