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第1回:仮想化 〜実装技術は様々

著者:ThinkIT編集局   2007/3/9
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ハイパーバイザ方式

   サーバ仮想化の中でもっとも注目をあびているのがこのハイパーバイザ方式である。これは、物理ハードウェア上に仮想化のために特化した専用のカーネル(ハイパーバイザ)を用意し、その上でいくつものOSを動作させる方式である。
ハイパーバイザ方式
図3:ハイパーバイザ方式

   大きな特徴は、複数のOSを動作させてもオーバヘッドは最小限に抑えることが可能で、無駄のないリソース配分をすることができるところにある。ハイパーバイザ方式の仮想化ソフトウェアとして、「VMware ESX Server」「Xen」などがある。


アプリケーション方式

   アプリケーション方式は、ハイパーバイザ方式のように専用のカーネルを必要とせず、通常のOS上に仮想化ソフトウェアをアプリケーションのようにインストールして、その上でいくつかのOSを動かす方式である。

アプリケーション方式
図4:アプリケーション方式

   この方式ではアプリケーションをインストールするだけで仮想環境を作成できるため、非常に導入しやすく、ハードウェアによる依存も少ない。しかしその構成上、ハイパーバイザ方式よりもオーバーヘッドが多くなる傾向にある。アプリケーション方式の主な仮想化ソフトウェアとしては「Virtual Server 2003」がある。


仮想化を実現するソフトウェアの紹介

   主な仮想化方式を簡単に紹介したが、それぞれに特徴がありシステムや導入目的によって最適な方式は異なるため、集約度、独立性、柔軟性などからよく検討したい。

   そこで、仮想化を実現するソフトウェアについて主要なものを簡単に紹介する。今回は、企業システムに導入するにあたっての検討項目となるであろう、以下の項目に焦点をあてて検討していく。

  • 仮想化方式
  • 導入費用
  • 管理ツール
  • 対応するゲストOS

表1:仮想化ソフトウェアの導入ポイント


VMware ESX Server

   VMwareシリーズはまさに仮想化ブームの火付け役ともいえる、仮想化ソフトウェアである。特にVMware ESX Serverは、すでにサーバ統合やレガシーマイグレーションなどで多数の利用実績がある。

   VMware ESX Serverは、ホストOSが不要で直接ハードウェアにインストールして利用する仮想化専用ソフトウェアで、自身が仮想化の機能を提供する。ホストOSを挟まない分オーバーヘッドが少ないため高いパフォーマンスが得られる。VMware社の製品としては最もエンタープライズ向けの製品として位置づけられるもので、導入費用も高めである。

   管理ツールとしては、複数のVMware ESX Serverおよび仮想マシンを一元的に管理・運用することができるソフトウェア「VirtualCenter」を利用できる。仮想マシンの作成、電源制御、モニタリング、テンプレートの作成、ログの管理、リモートコンソールなどの運用が可能だ。

   また、仮想マシンの無停止マイグレーションを実現する機能「VMotion」も備えている。これによって、例えば物理サーバのメンテナンス時など、従来はシステムを止めなければならなかったケースでも、業務に影響を与えることなく作業を遂行できる。

   ゲストOSとしては主要Linuxディストリビューション、Windowsサーバ全般、NetWare、FreeBSDに対応している。

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