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第1回:仮想化 〜実装技術は様々
著者:ThinkIT編集局 2007/3/9
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Xen
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2005年の登場以来、様々なムーブメントを起こしているのがオープンソースのXenである。オープンソースであるため、無償で利用できる。
Xenのコンセプトは疑似仮想化であり、Xen上で動かすOSはI/O処理を行う際にハイパーバイザを経由するようにOSのソースコードに修正を加える必要がある。
統合的に管理できるツールや管理ソリューションはまだ充実していないため、商用利用する場合はよく検討する必要がありそうだ。
ゲストOSとしては、Linux、Solaris、FreeBSD、NetBSD、OpenBSD、Plan9に対応している。Xen3.0系ではWindowsを動作させることができるが、CPUがIntel Virtualization Technologyに対応している必要がある。
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Microsoft Virtual Server |
Microsoft Virtual Serverは、ホストOS上に仮想マシンを構築するソフトウェアで、無償で利用することができる。その構成上、ややパフォーマンスは低くなるものの、Windows向けに開発された数多くのドライバが利用可能であるため、レガシー環境の移行に適している。
Microsoft Virtual Serverの特徴は導入と管理が容易なことである。Virtual Serverは、Windows Server 2003/XP上にアプリケーションソフトとしてインストールすることで利用できる。ゲストOSとしてはWindowsのほか、アドインソフトを利用することでLinuxをゲストOSとして稼動させることもできる。
Virtual Server構成管理には、IISによるWeb管理コンソールを用意しており、ローカルマシンにインストールされたVirtual Serverを設定できるのはもちろんのことリモートマシンのVirutal Serverも、一元管理することができる。
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仮想化の種類
一口に仮想化といっても、ネットワーク、ストレージやサーバなどのハードウェア、データベースやミドルウェア、アプリケーションなど各レイヤごとに、様々な実装技術が存在している。
例えばネットワークレイヤでは、公衆回線を専用回線のように利用するVPNという仮想化技術があり、ハードウェアレイヤではサーバ上に複数のOSを稼動できるサーバ仮想化などがある。また、ASPやSaaSもアプリケーションを仮想的に扱えるという意味においては、仮想化技術ともいえよう。
このように、仮想化技術にはレイヤごとに様々な実装技術があるが、一般的に仮想化技術といえば「サーバ仮想化」のことを示す。
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今後の仮想化の動向 |
今後は、Web 2.0的なサービスの増加やSOAの実現などによってリソースの活用箇所はさらに細分化され、仮想化技術はITシステムにとっては当然のように使う技術になっていくだろう。
もっとも注目を集めているのはハイパーバイザ方式だと説明したが、これはリソースの活用といった観点から見たときにある。これが当然のように使われるようになると、Javaにフレームワークがあるように、仮想化技術はOSのフレームワークとなっていくのではないだろうか。
また、リソースを統合・配分する仮想化技術は今後のハードウェア事情にも適しているといえる。ITシステムにおいてはブレードサーバが主流になりつつあるが、ブレードサーバのリソースは柔軟に変更が可能で、それを取りまとめる何か、要するに仮想化を必要とするのだ。しかし、これはブレードサーバに限ったことではない。今は1プロセッサで多数のコアを搭載しており、リソースがCPUレベルで細分化されているのだ。
では、他の方式が必要ないかといわれればそうではない。例えばアプリケーション方式は手軽に利用可能であり、ハードウェアにも依存しないため、開発環境に組み込まれ、テスト環境を容易に構築できるといったメリットもある。
今後のITシステムに仮想化環境は当然のように必要とされていくと考えられる。既に実験段階は過ぎて導入段階に入っているが、さらなる安定性の追求と様々な活用方法の誕生を期待したい。
仮想化技術はITシステムの要として、目が離せない。
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