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第5回:NGN 〜インターネットとの違い
著者:ThinkIT編集局 2007/4/10
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ビジネスモデル
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現在のインターネット上のサービスは、通信業者が端末からアプリケーションまでを一貫して提供し、サービスごとにネットワークを運営していた。例えば、携帯電話のサービスでは通信業者が端末を決め、サービス元になっている。このような場合の関連ビジネスはその専用のネットワーク上のコンテンツ配信などに限られていた。
NGNでは、サービスごとにネットワークを形成するため、ネットワークによって受けられるサービスが変わることはない。

図2:NGN世代のサービス形態
サービスによってネットワークを形成するということは、アイデア次第で今までは思いもつかなかったようなサービスが実現できる可能性がある。しかし、このようなネットワークでは協力会社と強い連携が求められる。
よって、今までのビジネスは質とコストが重視されていたが、これからはイノベーションとコラボレーションが重視されるだろう。
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NGNへの移行
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NGNを実現するうえでの最大の課題は、標準化にある。もちろんオールIP化をベースとしたネットワークになるが、既存のネットワークをすべて捨てて移行することは現実的ではない。そのため、既存のネットワークを活かしつつ、段階的にNGNへと移行していくことになる。
例えば、音声通話(電話)の移行は大きな例である。現在はアナログ回線が主流であるが、今後はVoIP(注3)を活用した技術、つまりIP電話サービスに移行していかなければならない。現実的ではないかといえばそうではなく、現在においても移行は少しづつ進んでいるのである。
※注3:
VoIP(Voice over Internet Protocol)とは、音声を各種符号化方式で圧縮してパケットに変換したうえでIPネットワークでリアルタイム伝送する技術。
当初、IP電話サービスとえば、ISPの付加サービス的でしかなく、品質が不十分であったり、一部のサービスが利用できないなどの問題があった。しかし現在では、アナログ回線の品質と遜色のない品質を実現しているうえ、050からはじまる番号以外でもIP電話サービスを受けることも可能になっている。
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NGNはすでにはじまっている
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簡単にNGNを説明してきたが、ネットワークの未来が見えてきただろうか。このNGNでは、先にも説明したように瞬間的に移り変わるものではなく、ゆるやかに移行していく。例えば、現在も移行が進んでいる、IPv6やVoIPなどはNGN世代の技術といえよう。また、今回は技術的な面にはあまり触れなかったが、ITU-Tや3GPが標準化の策定を進めており、段階的に新しい技術が導入されていくだろう。
NGNへの移行はすでにはじまっている。先にも説明したように電話も移行をはじめており、サービスも次々に統合されようとしている。新しい技術、新しいサービスに着目し、新しいことを創造することが、NGNの世界では求められることになるだろう。
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