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アクセスログとは何か?
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アクセスログというのはサーバが記録するアクセスの記録です。なぜ記録を「ログ」と呼ぶのでしょうか。私が教わったのはこんな由来です。
昔、大航海時代、多くの帆船が大洋を超える航海に出ていきました。帆船のスピードはかなり風まかせ。風が弱いと遅くなり予定通りに港に着けないかもしれません。帆船の旅は大変です。予定通りに港につけないと積み荷は腐るし、食料や水が足りなくなって、船員が病気になったり飢えたりしてしまいます。
速度を把握することはまさに命がけだったのです。もし予定よりも遅いなら、みんなで漕ぐ必要があるかもしれません。近くの港に寄って、食料や水を補給するという判断も必要になるでしょう。
帆船がどうやって速度を測ったかというと、ロープをくくりつけた丸太を使いました。ロープにはコンスタントに結び目がつくってあります。船縁から丸太をドボンと海に落とすと、船が進む分、くくりつけたロープが繰り出されていきます。単位時間にロープの結び目がどれだけ出ていったかを数えれば、船のスピードがわかるわけです。
定期的に結び目の数を記録したノートことを「ログブック」と呼ぶようになりました。そこから航海日誌を「ログ」と呼ぶのです。SFファンの方なら「スターログ(航星日誌)」といった言葉をご存知でしょう。それが船乗りが泊まる船宿の宿帳を指すようになり、逐一記録を取ることを「ログを取る」と呼ぶようになっていくのです。アメリカの技術者はそういう例え話が大好きですから、サーバが保存するアクセス記録をログと言うようになったのです。
ちなみに、結び目で速度を測ったことから、今でも船のスピードを「ノット」と言うのだそうです。
ログはサーバで起こったできごとを逐一記録するものです。これを見ることでサーバが安定的に稼動しているかどうかをチェックすることができます。あまりアクセスが集中すると動作が遅くなって、最悪落ちてしまうかもしれません。そうなればシステムを増強して対応しなければならなくなります。また不正なアクセスがあったら早く発見して、危険を回避する必要があります。こうしたことに対応できるように、ログは作られているのです。
このように、アクセスログはインターネットの大海をWebサイトが安全に進んでいくために必要な記録である、といえるでしょう。次回はWebビジネスを成功させる材料としてのアクセスログ解析の実施には、どのような手法があるのか。細かなデータの読み方を解説します。
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著者プロフィール
有限会社いなかどっとコム 石井 研二
有限会社いなかどっとコム 代表取締役
1961年、神戸市生まれ。大阪府立大学総合科学部(実験心理学)卒業。「DODA」編集デスク、「Salida」副編集長を経て、通販カタログ企画、社史編集、アウトドア雑誌企画等、多数。1995年からWebプロデューサ。当初からアクセス解析の手法を使って、さまざまな企業サイトの構築・運営を成功に導く。
1999年5月、有限会社いなかどっとコムを設立。ホームページ制作/コンサルティングとアクセス解析を行なう。2002年、アクセス解析サービス「サイトグラム」を開発・発売。年間10億ページビュー以上の解析を行い、多くの企業サイトにアドバイスを行なう「日本一のログ読み男」。2005年からは、新しい解析サービス「スコアメイク」を展開している。関西ソーホー・デジタルコンテンツ事業協同組合 理事
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