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| TOMOYO Linuxの歴史 | ||||||||||||||
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さて、実際にTOMOYO Linuxの機能を紹介する前に、TOMOYO Linuxの歴史について紹介しておきます。 プロジェクトの発足から2005年11月にオープンソースとして公開に至るまでの開発の経緯については、OSDN主催のイベントである「Linux Kernel Conference 2005」で講演を行っており、資料は下記URLで参照できます。
Linux Kernel Conference 2005:
http://osdn.jp/event/kernel2005/ ここでは、それ以降の主な歩みについて紹介します。
表2:TOMOYO Linuxのこれまでの歴史 2006年12月に行った「CE Linux Forum(以下、CELF)」での講演はプロジェクトにとって大きな転機となりました。説明の際に「国産セキュアLinuxとして、組み込み系の方々を含め、国内のニーズに応えていきたい」と話したところ、組み込みLinuxのコミュニティの方々より「ぜひメインライン(Linux標準ソースコードへの組み込み)を目指して欲しい」とのご意見をいただきました。これは全く予想していないことでした。 開発を始めてからはずっと成果の公開(オープンソース化)が夢でした。公開はやろうと思えば誰でもできますが、メインライン化は、まず自分達が作ったものを説明し、興味をもってもらい、世界中のLinux開発者と議論した上で、開発成果の評価を得なければなりません。CELFの方々から、「人数は関係ない」「提案することに意義がある」といわれて、ちっぽけなプロジェクトでは無理なことだとあきらめていた自分に気づき、自らの志の低さを恥じました。このときからメインライン提案を行うことがプロジェクトの重要な目標となりました。 フォーラムでは、合わせてサンノゼで開催される組み込みLinuxの国際会議「Embedded Linux Conference 2007 (ELC2007)」の応募を勧められました。投稿した提案は無事採用され、4月には講演とチュートリアル、デモを行っています。これはTOMOYO Linuxとしてはじめての海外での発表となりました。 CELFから2ヶ月後、2007年の2月には国内Linuxのアクティブなコミュニティとして知られる横浜Linux Users Groupで「TOMOYO Linux Night(開発者が語るTOMOYO Linux)」というイベントを開催しました。
横浜Linux Users Group、「TOMOYO Linux Night(開発者が語るTOMOYO Linux)」を開催
http://www.thinkit.co.jp/free/news/0702/9/4.html ここでもメインライン提案に向けて激励をいただきました。信じられない偶然ですが、YLUGで話をしたその日がまさにOLS2007の投稿期限だったはずが、なぜか期限が一週間だけ延期されていました。YLUGの方々より、Linux関係者にとって総本山ともいえるOttawa Linux Symposium 2007(OLS2007)について、非常に熱くチャレンジを勧められ、急遽検討、応募した内容はBOFとして採択されました。昨年12月にCELFのお話をいただいていなければ、あるいはYLUGの開催日が一週間ずれていたら、そう思うと、不思議な力を感じずにはいられません。 |
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| メインライン化の意義 | ||||||||||||||
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普段Linuxを利用されていない方には「メインライン」に含まれることの意味がピンとこないかもしれません。メインラインに含まれていない現在の状態では、NTTデータが開発の終了を宣言した場合、それはTOMOYO Linuxの終了を意味します。何故ならLinuxは文字通り日々進化しており、それに追随できないということは実質的にソフトウェアとしての死を意味するからです。 プロジェクトが続いていたとしても一社で行う開発には限界がありますし、世界中の人々に知ってもらうことは困難です。メインライン化提案を行うということは、TOMOYO Linuxという成果をLinuxの中で活かし続けるということです。それはまた、技術的検証やコメント(評価)を受けるということであり、同時にLinuxコミュニティへの開発成果のフィードバックという意味があります。オープンソースの世界は「give & take」です。プロジェクトとして、日本からの貢献を目指したいと思っています。 |
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