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今Mac OS X Serverが注目される理由 |
第3回:Leopard ServerでSOHOのワークスタイルが変わる
著者:須貝 弦 2007/7/18
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Spotlight検索がサーバに対応
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Mac OS X v10.4 Tigerが登場したときに話題を呼んだのが、デスクトップ検索システムの「Spotlight」でした。HDD上のドキュメントやメールメッセージなどを横断的に検索するSpotlightは、ファイルの管理手法を変えました。
今までは後から探しやすくするため、各個人がそれぞれフォルダを階層化してファイルを分類するなど、一生懸命に整理をしていました。同じように、メールメッセージに関してもたくさんの「ルール」を作ってフォルダ分けしていた人も多いでしょう。それでも、後から必要な情報を見つけ出すには「探す」という時間が必要だったのです。
Spotlightがあれば、そういった整理や探すといった作業に費やす時間を確実に減らし、その時間をもっと意味のあることに使えるようになります。しかし残念ながら「ネットワーク越しにサーバのドキュメントをSpotlightで検索する」といったことはできませんでした。
と、ここまで書けばわかるでしょう。Leopard Serverでは、ネットワーク越しにサーバをSpotlight検索する機能が搭載されます。サーバ上のドキュメントを複数の人で共有して誰でもアクセスできるようにするためには、今後もある程度の「整理整頓」は必要ですし、やるべきです。しかし、Leopard Serverがサーバ上のSpotlight検索を実現することで、探し物にかかる時間はますます減らすことができるでしょう。
なお、サーバをSpotlight検索するときには、それぞれのアカウントに対して設定されたアクセス権が反映されます。つまり、Aさんに割り当てられたアクセス権ではみることができないボリュームやフォルダは、Spotlight検索でも検索結果として表示されなくなります。
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小さな会社も「メディア」になる
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Leopard Serverに搭載される新機能の中で、もっとも使う人や組織のセンスが試されるのが「Podcast Producer」かもしれません。ビデオの取り込みや音声の録音、エンコーディング、そしてコンテンツ配信に至るまでのワークフローが、Leopard Serverの機能として提供されます。
サーバに接続するMac OS X LeopardがインストールされたMacにはユーティリティが用意され、これを使ってPodcastの収録作業を行うことができます。そこから先の作業はサーバサイドで自動的に行われ、Podcastの公開やRSSの配信までを処理してくれます。
筆者は個人的に、Podcast Producerの機能を見て思うことがあります。
従来のMac OS Xもそうでしたが、個人や小さな企業、会社の中の一部署でも「自分たちのメディア」を持つための仕組みが、Leopard Serverには用意されています。しかしそれはあくまでも仕組み・ツールでしかありません。こういったツールを手にしたとき、自分たちにどんなことができるのか、考えてみることをお勧めします。
「困っているからサーバを入れる」というのも正しければ、「サーバを使って何か面白いことができるんじゃないか」というのも正しいはずです。とくに、ITの専門家はいないがサーバを必要としているというオフィスにおいては、まずは簡単かつ安全に利用できることが重要です。次に、ただサーバを導入するのではなく、サーバを導入することで夢が広がることも大事ではないでしょうか。
そしてMac OS X Serverは、ITの専門家ではなくても使い方が想像でき、そして実際に使え、夢が描ける数少ないサーバOSの1つなのです。
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著者プロフィール
須貝 弦
1975年生まれ。DTP雑誌編集者等を経てフリーランスのライター&編集者となる。Mac OS XやMac OS X Serverの活用事例に関する取材を数多くこなす。スターバックスやドトールを仕事場とするさすらいの民でもある。
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