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Windows Server 2008
Windows Server 2008が開く新世代のサーバOS環境

Windows Server 2008が実現する新機能

著者:山本 雅史   2007/6/28
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仮想化も準備完了

   Windows Server 2008では、最近注目されている仮想化機能をOSのカーネルからサポートする。今までサポートされていたVirtual Serverは、Windows Server上に仮想環境を構築するが、「Windows Server Virtualization(コード名:Viridian)」は、VMwareのようにハイパーバイザーモードを利用して仮想環境を構築するものになった。これにより仮想環境に対するオーバーヘッドが少なくなり、パフォーマンスの高い仮想環境が構築できる。
Windows Server Virtualization Archtecture
図5:Windows Server Virtualization Archtecture
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

Windows Server Virtualization
図6:Windows Server Virtualization
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   またハイパーバイザーは64ビットのCore OSがベースとなる。このためCore OSが持っている仮想化されたI/Oを利用して、インスタンスとなる仮想環境が動作することになる。これにより、Windows Serverで使われているデバイスドライバがそのまま利用できるため、仮想環境上のOSにおいても特殊なドライバソフトを必要としない。

   さらにWindows Server Virtualizationで利用されるCore OSは64ビット環境だが、インスタンス上では32ビット/64ビット環境のどちらでも動作させることができる。これにより高いパフォーマンスで仮想OSを動かすことができるようになり、本格的な仮想化の利用がはじまるだろう。


最初から64ビット化を意識した強固なサーバOSへ

   Windows Server 2008の正式名称の発表とともに重要なアナウンスが行われた。それは、サーバOSとしては、Windows Server 2008が最後の32ビット版だということだ。

   現在サーバのハードウェアは、Intel社やAMD社ともに64ビットCPUを展開している。このため最新のサーバプラットフォームにおいては、ハードウェアレベルでは64ビット対応に関して完了済みといえる。また企業でのアプリケーション環境をみても、例えばデータベースも大容量かつ高度化してきており、現在の32ビット版サーバOSではメモリ空間が足りなくなってきている。ほかにもターミナルサーバなどのような用途では、32ビット版サーバOSでは充分な数のターミナルをサポートできなくなっている。

   このような企業を取り巻く環境の変化に伴い、マイクロソフトはサーバOSの64ビット化への最終ステップを踏み出したのである。同社ではWindows Server 2008の2年後にリリースを予定しているWindows Server 2008 R2においては「すべての製品が64ビット版になる」と明言している。


リリースのスケジュールは?

   Windows Server 2008は、現在β3のテストを広範囲に行っている。β版は下記のWebサイトからダウンロードすることができる。


   ITシステムに関わる人のみならずアプリケーションの開発者など、いまから最新のサーバOSに触れておくことは必須である。皆さんもぜひダウンロードしてWindows Server 2008を体験してみてほしい。

   Windows Server 2008正式版のリリースについて、現在のところマイクロソフトから正式スケジュールに関しては明言されていない。ただしこれまでの様々な情報を取りまとめると、今年11月頃にリリースされるものと思われる。2007年中は企業ライセンスのみの提供だけで、パッケージ版などに関しては2008年になるかもしれない。ただしサーバOSということを考えれば、クライアントOSのVistaとは違ってこのようなスケジュールでも特に混乱が起きることもないだろう。

   少なくとも正式リリースまであと半年たらずだ。今後サーバの移行や増設時には、Windows Server 2008の導入を検討し始めるにはちょうどいいタイミングかもしれない。いかまら着々と準備をはじめて、スムーズに最新のサーバOS環境を利用することを狙ってみたいものだ。

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山本 雅史
著者プロフィール
山本 雅史
エンタープライズにおけるITシステムの動向などをカバー。特に、サーバOSやPCサーバのハードウェアに関しては造詣が深い。


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Windows Server 2008が実現する新機能
  Windows Server 2008とは
  非常に強力な統合スクリプト言語「Windows PowerShell」
仮想化も準備完了