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第2回:MySQLを使う準備

著者:野村総合研究所  松野 洋希   2007/7/30
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現在の設定値の確認

   それでは、早速MySQLサーバを起動して、現在の設定をチェックします。MySQLサーバにログインし、設定を確認する以下のコマンドを実行します。
$ /usr/local/mysql/bin/mysqld_safe &
$ mysql -u root
mysql> show variables;

show variablesコマンド実行結果
図1:show variablesコマンド実行結果
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   コマンドを実行すると、図1のように「Variable_name」と「Value」の組が230行表示されると思います。この230個すべてが、MySQLの設定項目になっています。

   この230個の設定値の中から、比較的重要なパラメータをピックアップして説明します。


重要なパラメータ

   下記に、MySQLを利用するうえで重要なパラメータを列挙します。設定値の例として、本連載で設定する値を載せてありますので、あわせて参考にしてください。

パラメータ名 説明 設定値の例
default-character-set デフォルトの文字コードを指定する。デフォルト(latin1)のままでは、日本語が使えない utf8
datadir デフォルト(/usr/local/mysql/data)以外のデータベースのディレクトリを利用する場合に設定する 設定なし(デフォルト)
default_table_type デフォルトのストレージエンジンを指定する。デフォルト(MyISAM)のままでは、トランザクションがサポートされない innodb
port 接続を受け付けるポート番号を指定する。同一サーバ上に、複数のMySQLサーバを起動させる時は重複しないように変更する 3306
max_connections クライアントの最大接続数を指定 30
log-error mysqld の起動、実行、および停止で発生したエラーを指定したファイルにログ出力する。ファイル名を省略すると、データディレクトリに「ホスト名.err」で作成される (ファイル指定なし)
log-bin データ変更を行ったクエリをすべて保存する。ファイル名を省略すると、データディレクトリに「ホスト名-bin」で作成される※開発中以外はコメントアウトしておく (ファイル指定なし)
log-slow-queries long_query_timeで指定した秒数より時間のかかったクエリ、またはインデックスを使用しなかったクエリを、指定したファイルにログ出力する。ファイル名を省略すると、データディレクトリに「ホスト名-slow.log」で作成される。 (ファイル指定なし)
long_query_time log-slow-queriesで出力対象とするクエリの実行時間を秒で指定する 15

表2:[mysqld]セクションの重要なパラメータ

パラメータ名 説明 設定値の例
default-character-set データを保存するときのデフォルトの文字コードを指定する。デフォルト(latin1)のままでは、日本語が使えない utf8

表3:[mysqldump]セクションの重要なパラメータ

パラメータ名 説明 設定値の例
default-character-set デフォルトの文字コードを指定する。デフォルト(latin1)のままでは、日本語が使えない utf8

表4:[mysql]セクションの重要なパラメータ


MySQL設定ファイルの作成方法

   まずは、MySQL設定ファイルを作成します。作成といってもはじめから作るのではなく、用意されているサンプルからコピーします。MySQLのインストールディレクトリ配下の「support-files」ディレクトリに、サンプルのcnfファイルが用意されています。ここでは管理者権限でログインします。

# su -
Password:
# cd /usr/local/mysql/support-files/
# ls *.cnf
my-huge.cnf my-innodb-heavy-4G.cnf my-large.cnf my-medium.cnf my-small.cnf

   ここでは、rootユーザで「my-huge.cnf」をコピーして利用することにします。なお、「my-huge.cnf」は、1〜2GBのメモリ容量を持つマシンに特化した設定ファイルとなっています。メモリ容量が少ない場合は、「my-large.cnf」(512MB)、または「my-medium.cnf」(32〜64MB)をコピーして利用してください。

# cp my-huge.cnf /etc/my.cnf

   それでは、いよいよMySQL設定ファイルを編集していきます。設定ファイルは前述の通り、セクションに区切られています。表2〜4を参考に、設定値を変更していきます。表に記述されていないパラメータは、そのままでかまいません。

   #がついているパラメータは、デフォルトと同じ値のため、コメントアウトしています。

[mysqld]
default-character-set=utf8
#datadir= /usr/local/mysql/data/
default_table_type= innodb
#port=3306
max_connections=30
log-error
#log-bin
log-slow-queries
long_query_time=15




[mysqldump]
default-character-set=utf8




[mysql]
default-character-set=utf8




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株式会社野村総合研究所 松野 洋希
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所  松野 洋希
情報技術本部  オープンソースソリューションセンター
大規模コンシューマ向けWebサイトのインフラ構築にあたり、オープンソースのフレームワークやミドルウェアの検証・評価に携わる。2003年、日本人としては初めてJBoss社の認定コンサルタントに合格。現在は、金融系システム基盤へオープンソースソフトウェアを適用するために設計・構築を行っている。

NRIオープンソースサポートサービス OpenStandia
http://www.nri-aitd.com/openstandia/


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第2回:MySQLを使う準備
  MySQLの設定
現在の設定値の確認
  MySQLのシャットダウン & 再起動