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Samba最新動向 |
第4回:Samba 3.0.20以降の新機能を追え(3)
著者:たかはしもとのぶ 2007/8/27
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Windows Vistaからアクセスした際のパフォーマンス向上:Samba 3.0.25〜
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Windows Vistaではファイル転送のパフォーマンス向上のため、読み取りのパイプライン化がサポートされていますが、従来のSambaはこれに対応しておらず、結果としてWindows Vistaからアクセスした際にパフォーマンスが出ないという事象が報告されていました。しかしSamba 3.0.25はreadaheadというVFSモジュールを以下のようにして有効化することで、この問題に対処することが可能です。
[file_share]
vfs objects = readahead
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セキュアなDNS動的更新機能への対応:Samba 3.0.25〜
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Active Directoryに参加しているWindows 2000以降のクライアントは、自身の情報を動的にDNSサーバに対して登録する動的更新が可能です。そのためSamba 3.0.25では、uuidライブラリがインストールされている環境で、configure時に「--with-dnsupdate」オプションを指定することで、この機能をサポートすることが可能になりました。これは「security = ads」の環境でnet ads joinコマンドによりドメインに参加した上で、「net ads dns register」コマンドを実行することで動的更新が可能です。これば「セキュリティで保護された更新のみ」可能なゾーンであっても大丈夫です。
# net ads dns register -U ユーザ名%パスワード
Successfully registered hostname with DNS
DHCP環境などでは、この処理をDHCPのリース更新のタイミングで実行するように設定することでDNSレコードの維持が可能です。
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Winbind機構で空白や大文字を含むユーザ名を「_」および小文字に変換する:Samba 3.0.25〜
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「winbind normalize names = yes」の設定を行うことで、例えば「Test User」というWindowsユーザ名に対応するUNIX側のユーザ名が「test_user」というUNIX側で扱いやすいユーザ名になります。
「winbind normalize names = yes」の時
etch1# id 'AD\\Test User'
uid=5007(AD\test_user) gid=5000(AD\domain_users) groups=5000(AD\domain_users)
「winbind normalize names = no」(デフォルト)の時
etch1# id 'AD\\Test User'
uid=5007(AD\test user) gid=5000(AD\domain users) groups=5000(AD\domain users)
これにより、Winbind機構の利用時にUNIX側の利便性が若干ですが向上します。
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より使いやすく便利になったSambaの発展
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これまで4回に渡ってSambaの最新動向を説明してきました。安定版のSamba 3.0でも各所で機能が改善され、より便利になってきています。みなさんの環境で有用な機能があれば幸いです。
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著者プロフィール
たかはしもとのぶ
1970年生まれ。1993年早稲田大学第一文学部哲学科卒。同年NTTデータ通信株式会社(現:株式会社NTTデータ)に入社。
クライアント・サーバシステム全般に関する技術支援業務を長く勤める。UNIX・Windows等のプラットフォームやインターネットなどを中心とした技術支援業務を行なう中で、接点ともいうべきMicrosoftネットワークに関する造詣を深める。
現在は「日本Sambaユーザ会」スタッフなどを務め、オープンソース、Microsoft双方のコミュニティ活動に関わるとともに、各種雑誌への記事執筆や、講演などの活動を行なっている。
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