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オープンソースECM「Alfresco」を知っていますか? |
第1回:NASAにも導入されたAlfrescoとは?
著者:aegif 石井 昭紀 2007/8/8
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オープンソースのECM「Alfresco」とは
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Alfrescoとは世界初のオープンソースによる本格的ECM製品です。プロプライエタリECMのリーダー的企業Documentumの共同設立者や開発者の一部がスピンアウトして新たに作り上げたECM製品です。
先進的なソフトウェアということで、ヨーロッパを中心に世界中から注目されており、World Economic Forumの「Technology Pioneer」やOSBC(Open Source Business Conference)の「Emerging Elite」をはじめ、いくつもの賞を受賞しています。賞だけでなく、実際にNASAや英国国防省での採用実績もあり、信頼性の高い製品です。
またビジネス面でも、業務用ソフトウェアの世界での豊富な経験を持つ経営陣や、Accel PartnersやMayfield Fundなどの名門ベンチャーキャピタルの出資を受けているなどの点で、技術偏向のきらいがある類似の製品群とは一線を画しているといえるでしょう。
Alfrescoは2007年7月までの間にすべてのパッケージのダウンロード総数が65万件あり、現在コミュニティでの議論や試用に参加しているエンジニアの数が5,000人を超えています。このような点からもその人気の高さが伺えます。
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Alfrescoがオープンソースで開発されている理由
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Alfrescoにとってオープンソースであることは、3つの点で大きな意味を持っています。
- 開発生産性の高さ
- 導入コストの低さ
- 「囲い込み型ビジネスモデルの否定」というポリシー
表1:オープンソースであることの意味
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開発生産性の高さ
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Alfresco自体は2005年から開発がはじまった若い製品です。しかし、Spring Framework、Hibernate、MyFaces、Luceneなどのオープンソースソフトウェアを活用し、非常に早いペースで製品のリリースと機能強化を実現しています。
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導入コストの低さ
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ECMは非常に強力かつ応用範囲の広いツールですが、コストの問題により今までは限られた業界のIT投資意欲の高い企業にしか採用されていませんでした。
しかし、オープンソースであるAlfrescoであれば、ソフトウェアのライセンスコストが抑えられるため、その他の業界でも現実的な予算の中で導入が可能になります。もちろんこうしたことが実現できたのも、最初にあげた開発生産性の高さのおかげであることはいうまでもありません。
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「囲い込み型ビジネスモデルの否定」というポリシー
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最後の1つは、開発者の「囲い込み型ビジネスモデルの否定」というポリシーと結びついているという点です。Alfrescoは既存のECM業界の再編は、専門ECMベンダが代理店経由の販売と囲い込み戦略に明け暮れた結果であると分析しています。
ECM製品もソフトウェアですから、日々進化しています。先述の通り、多くの顧客は追加開発を想定して導入をしていますが、製品自体のバージョンアップ時に想定以上の大きなコストが発生してしまうことがよくありました。
Alfrescoでは単にソースコードが公開されているだけでなく、内部的な設計やデータ構造、設定ファイル、エクスポート用パッケージのファイル形式などもシンプルかつオープンにしています。
そのため追加開発をする際にもその挙動が読みやすく、Alfrescoのバージョンや他のECM製品へと移行する場合にも、データ移行の計画が立てやすくなっています。囲い込むのではなく、オープンにすることでよりユーザに利用しやすいと考えています。
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著者プロフィール
株式会社aegif 石井 昭紀
大手外資系コンサルティングファームにてERPおよび文書管理システムの導入プロジェクトの経験を積んだのち、フリーランスを経て、コンサルティングファーム時代の同僚と共に株式会社aegifを設立。副社長兼CTO。内部統制コンサルティングとAlfrescoの支援活動を担当。ITコーディネータ。
http://aegif.jp/
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