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第4回:中身の濃い進捗報告会を作るには〜後編〜
著者:
ウルシステムズ 村上 歴
2007/8/31
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進捗状況や遅れへの対処は具体的に
結佐氏「続いて、何がどれだけできているかの報告イメージですが、各チームごとの成果物一覧と、その成果物の種類別の作成数に基づいた物が欲しいですね。パーセント表示は参考程度でよいです」
弁田氏「そうですね。よくあるパーセント表示だと、大体80%とか90%になってからが長くて、95%、ほぼ完成のまま2週間くらい過ぎてしまうこともありますしね……」
結佐氏「そうです。パーセント表示もなんとなく把握できるので悪くはないのですが『10個の成果物が全部仕掛かり中で大体完成度50%』という話と『3個は完成、3個は仕掛かり中、4個は未着手』という状況をまとめると大体50%、というのでは、状況がだいぶ違います。前者だといつまでも50%だったりしますけど、後者は少なくとも完成させるための道筋はできている、ということがわかります」
弁田氏「では、キックオフで出した成果物一覧を詳細化した形で……こんな感じです」
弁田氏の作った進捗詳細のイメージはこのようになった。
表1:弁田氏の作成した進捗詳細の案(一部)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
弁田氏の質問は続いている。
弁田「次の、遅れた線が要らないという話は……。WBSが要らないということですか?」
結佐「いや、WBSそのものは欲しいんです。細かい話になることもありますし。が、1週間以上遅れた線は意味がない。何か手を打たないといけない状況だと思っています。誤差を超えている。4人のチームだと、1週間の遅れは1人月に相当する遅れです。がんばれば解決するレベルではない」
弁田「予定との差という意味では、遅れた線をみせる必要があるかと思っているのですが……」
結佐「予定との差をみることは大事なのですが、もっと大事なのはその差に対して何をしなければいけないのか、です。どちらかというと、それを考える方に力を割いて欲しいです。明日から何をするのか。予定を変える、つまりリスケをするのか、現状に対して人を増やす、やり方を変える、時間をのばすなどして回復させるのか。どうするにせよ、そのアクション自体がWBSには乗ってくるはずだと思っています。それがなく、単に遅れているだけのWBSは要らないです、ということです」
結佐氏は下のようなイメージ図を弁田氏にみせた。
図2:遅れている線表と対処を盛り込んだ線表
弁田氏「なるほど。いわゆる『リスケ』をこまめにやるということですね」
結佐氏「そうです。最初に報告してもらう、次のマイルストーンの達成に影響が出ないなら、遅れ解消のためのリスケは積極的に実施してください。実態と合わないWBSをみせられてもこちらも何もいえないんです」
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社 村上 歴
シニアコンサルタント。8bit時代からのコアな技術屋であり今でもそのつもりだが、最近はパワーポイントの方が主な成果物になっている。「この矢印の意味は何ですか?」のように、文書を添削してくれるツールがつくれないか思案中。
INDEX
第4回:中身の濃い進捗報告会を作るには〜後編〜
課題管理表・ToDo管理表だけではみえない進捗状況を共有する
進捗状況や遅れへの対処は具体的に
どんな「進捗報告」が必要なのかは対話からみつかる