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仮想化環境のパフォーマンス
仮想化環境におけるデータベースのパフォーマンス検証

仮想化環境のチューニングポイントとは?

著者:アット・ワイエムシー  岩間 和彦   2007/8/1
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単体でのパフォーマンス検証

   まず単体でのベンチマーク結果をみてみましょう。MySQLに含まれるベンチマークでは様々なテストを行うことができますが、今回はその中から「select」テストを利用して検証することにします。

   また、I/O負荷の影響がわかりやすいように、キャッシュが十分に機能する設定(以下、キャッシュ大)と、キャッシュの量を減らした設定(以下、キャッシュ小)となるようにパラメータ調整を行った2つの設定でテストをしています。この2つの設定での実行時間の差がキャッシュの有無の違いとなっていますので、キャッシュの設定が大きくパフォーマンスに貢献することがわかると思います。
MySQL設定 実行時間
キャッシュ大 92秒
キャッシュ小 343秒

表2:ベンチマーク結果

   MySQLでは各種パラメータを変更することでパフォーマンスを大きく改善することができますが、その基本は「メモリキャッシュを割り当てて、I/O負荷を減らす」です。

   今回の検証では、LAMPでの利用ということで全メモリの1/4程度の64MBをkey_buffer_sizeに割り当てています。また、Query Cacheを有効にしているので、ベンチマークの特性から大幅に実行時間が短縮されています。ほかにも比較的効果のあるパラメータも設定しています(表3)。

変数名 キャッシュ大(バイト) キャッシュ小(バイト)
key_buffer_size 64M 16K
table_cache 256 4
sort_buffer_size 4M 64K
read_buffer_size 1M 256K
read_rnd_buffer_size 1M 256K
query_cache_size 4M 0

表3:パラメータ一覧

   各パラメータのチューニングについては、以下の連載を参考にしてください。

はじめてのMySQLチューニング
第1回:定量的な情報収集のススメ

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株式会社アット・ワイエムシー 岩間 和彦
著者プロフィール
株式会社アット・ワイエムシー  岩間 和彦
1999年、株式会社アット・ワイエムシーの前身である株式会社山口マルチメディアコミュニケーションズの設立に参与。2001年、株式会社アット・ワイエムシー技術部部長、2005年には同取締役技術支援部長。現在はVPSおよび専用サーバ向けの新規サービスの開発を主に行っている。ApacheのWebDAVモジュール用の日本語対応パッチを作成/公開するなど、コミュニティ活動にも参加。


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