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仮想化環境のパフォーマンス
仮想化環境におけるデータベースのパフォーマンス検証

仮想化環境のチューニングポイントとは?

著者:アット・ワイエムシー  岩間 和彦   2007/8/1
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仮想化環境におけるMySQLのパフォーマンス

   5月にリリースされた「Red Hat Enterprise Linux 5」は、仮想化技術「Xen」を標準搭載しています。実際にサーバの仮想化を行われている方や検討されている方も多いでしょう。

   仮想化のターゲットとしては、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Python)に代表されるようなWebアプリケーションでの利用が多いと思いますが、サーバ1台で構成可能な負荷の軽いアプリケーションの場合、もっとも気になるのがデータベースのパフォーマンスではないでしょうか?

   そこで今回はXenを利用した仮想化上でのMySQLのパフォーマンスを検証してみることにしましょう(Xenについては、下記の連載を参照してください)。
オープンソースXenによるサーバ仮想化
第1回:仮想マシンとサーバ仮想化について


検証のチェックポイント

   パフォーマンスに関連するチェックポイントとして「メモリ」「CPU」「I/O」の3項目があげられます。

   まずメモリに関してですが、Xenではあらかじめ利用するメモリ量を割り当てるため、他のゲストOSの影響で利用可能なメモリ量が変動することはありません。利用する環境にあわせて適切なメモリを割り当てるようにすれば、大きな問題は発生しないでしょう。

   次にCPUやI/Oですが、同一のシステムを利用する以上競合は避けられません。CPUに関しては、マルチコアのCPUも安価に入手できるようになりましたので、ある程度の負荷に対しては十分に対応できると思います。

   しかしながら、I/Oに関しては現実的な解決策はないにもかかわらず、レスポンスへの大きな影響があります。つまり、ここが一番のポイントです。

   今回の検証には、実際に当社で提供している「マネージド20」プランで「MySQL 5.0.21」を選択したものを利用し、MySQLに付属するベンチマークツールで計測しています。基本的なスペックに関しては、表1を参考にしてください。

Xen 3.0.2
カーネル 2.6.16.13
CPU Intel Xeonプロセッサ 3.20GHz
メモリ 256MB
データベース MySQL 5.0.21

表1:スペック表

フルマネージド・サーバー - @YMC
http://www.ymc.ne.jp/service/managed/technology/index.html

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株式会社アット・ワイエムシー 岩間 和彦
著者プロフィール
株式会社アット・ワイエムシー  岩間 和彦
1999年、株式会社アット・ワイエムシーの前身である株式会社山口マルチメディアコミュニケーションズの設立に参与。2001年、株式会社アット・ワイエムシー技術部部長、2005年には同取締役技術支援部長。現在はVPSおよび専用サーバ向けの新規サービスの開発を主に行っている。ApacheのWebDAVモジュール用の日本語対応パッチを作成/公開するなど、コミュニティ活動にも参加。


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