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チームビルディング
企業価値を高める強いチームの創成

第4回:成功するチームマネジメントと生産性向上

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/28
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ナッレジマネジメントによる事例管理

   ナレッジマネジメントとは「組織の構成員が創り出したKnowledge(知識)を組織全体で製品やサービスあるいは業務システムに活用し、かつそのKnowledgeを共有すること」と定義される。
ナレッジマネジメントの構成
図5:ナレッジマネジメントの構成

   多くの企業がデータベースを設計・開発し、ナレッジを蓄積し、かつ情報ネットワークを利用してナレッジを共有しようとしている。その際に、企業にとって必要なナレッジ、つまりナレッジマネジメントの目的と企業戦略との関係を明確にする必要がある。

   ここでは、共通の方法論に沿って作成した成果物を蓄積し、同一業界や同一のソリューションを必要とする際に、再利用しようとする取り組みが目的となる。

   ナレッジには、「形式知」と「暗黙知」と呼ばれる2つのナレッジがある。形式知は言語によって明確に識別される知識群で、一方の暗黙知は無形の知識・ノウハウのように認知的なものである。

形式知と暗黙知
図6:形式知と暗黙知

   したがって、ナレッジマネジメントにおいて直面する課題としての解決には、個人の持つナレッジをビジュアルな形式に変換し、共有・活用できるような組織のメカニズムが必要となるのである。

   形式知のような報告書、マニュアル、方法論と成果物などは、社内の共有データベースで自由に検索する仕組みを構築することで有効活用が可能となる。一方の暗黙知などのノウハウや経験などいった知識については、社内SNSなどの有効活用を検討していく必要があると思われる。同時に社内SNSについては、社内での活発なコミュニケーションツールとしても有効活用が考えられる。


まとめ

   以上、今回はチームマネジメントにおける生産性向上策の一案として述べてみた。

   チームには個人の能力を意識するあまり、見当違いの方向を目指してしまったりするリスクがある。そのため、チームの目指すべき方向と目標を明確に伝え、誤った方向へ向かっていないか、常にウォッチする必要がある。

   またリーダーは進むべき方向性と意義について、常に現場を回り、社内での啓蒙活動を行う必要がある。

   そのため、チームとしての効果を最大にし、リスクを抑えることがチームビルディングの重要な課題となるのだ。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


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