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基盤技術で占うSaaSの未来
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第2回:MIJSの考えるSaaSポータルサイトとは

著者:システムインテグレータ  梅田 弘之   2007/11/8
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MIJSの取り組む3つの連携ソリューション

   この1年あまり、MIJS技術部会では製品連携のため、3つの連携ソリューション構築に取り組んできました。

トランザクションデータ連携

   ソフトウェア製品間では、日々の業務でトランザクションデータのやり取りが発生します。たとえば、販売管理からは売上、生産管理からは製造というような仕訳トランザクションデータが会計システムに流れて会計処理されます。

   通常、これらのデータ構造は製品ごとに整合性がなく、製品と製品で1つずつピア・トゥ・ピアに連携処理を作成する必要が生じてしまいます。そこでMIJSではAV機器のように、これらデータインターフェースの標準規格を定めることにしました。

   図2は仕訳トランザクションデータの例です。

仕訳トランザクションの標準規格連携
図2:仕訳トランザクションの標準規格連携
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   この図2に示すように、各製品は標準規格に変換するアダプタ(コネクタ)を1つ用意するだけで、他の製品すべてと連携できる仕組みになっています。


マスタデータ連携

   複数の製品を組み合わせて利用する際は、社員や部門といったマスタデータも連携する必要があります。たとえば社員マスタが連携されていなければ、社員の採用や異動、退職のたびにすべての製品に個別にログインし、社員データの変更作業を1つずつ行わなくてはなりません。

   そこでMIJSでは、上記トランザクションと同じようにマスタデータの標準規格化を行っています。例えば以下の図3は、社員マスタの標準規格を使ったデータ同期処理です。

社員マスタの標準規格連携
図3:社員マスタの標準規格連携
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   こちらも図2で解説した項目と同様に、各製品は標準規格に対応するアダプタを1つ用意するだけで、他のすべての製品とデータ連携することができます。


共通機能のSOA連携

   複数の製品を疎連携して利用する「ベスト・オブ・ブリード」において、もう1つ対処すべき課題がインフラ機能の共通化です。

   会計や販売管理、生産管理などの業務アプリケーションの中には、帳票やジョブ管理、データ分析、ログ管理などさまざまな機能が内蔵されています。これらの機能はアプリケーションごとに装備されており、ユーザが複数製品を利用する際はそれぞれ設定方法や操作方法が異なります。

   本来これらのインフラ機能は各業務製品から切り離し、エンタープライズレベルで1種類に統一したい共通機能です。図4のように共通機能をSOA化して、さまざまな業務アプリケーションで共用アクセスできることが理想といえます。

共通機能のSOA連携
図4:共通機能のSOA連携
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   MIJSには、業務アプリケーションだけでなく、このような機能アプリケーション製品を持つ企業が多く参加しており、両メンバーでこの理想形実現を3つ目のテーマとして取り組んでいます。

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システムインテグレータ  梅田 弘之
著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ  梅田 弘之
東芝、住商情報システムを経て1995年にシステムインテグレータを設立。常駐・派遣主体の労働集約的な日本のソフトウェア業の中で、創造性にこだわってパッケージビジネスを行っている。「アプリケーションは日本の方が上」と信じ、日本のIT産業が国際競争力を付けるためにやれることはやろうと決意している。


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