TOP業務システム> 帳票匠屋の取り組み
SaaSによる安心・安全な帳票運用を実現「帳票匠屋」
SaaSによる安心・安全な帳票運用を実現「帳票匠屋」

SaaSだからこそ重要な帳票によるサービス連携

著者:ウイングアーク テクノロジーズ  岩本 幸男   2007/10/3
前のページ  1  2  3  次のページ
帳票匠屋の取り組み

   先述した表1のような課題を抱えたままでは、SaaS利用者に真のメリットを提供することができません。ソフトウェアを「サービスとして利用する」人へ「安心と安全」を提供するために、帳票パッケージ分野のリーダーであるウイングアーク テクノロジーズでは様々な取り組みをすでに開始しています。

   帳票にはフォーム設計とフォーム開発が必要となるため、帳票設計開発ツールを購入しなければなりません。しかしながら、SaaS利用を検討する主な中小零細企業にとって設計開発のためのツール購入は本末転倒です。

   そこでウイングアーク テクノロジーズでは、2006年11月に「帳票匠屋」というサービスブランドを立ち上げ、その第1弾として帳票設計開発サービスを開始しました。
帳票匠屋Webサイト
図2:帳票匠屋Webサイト
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   このサービスにより、利用者は帳票フォームの変更依頼に対して安価に柔軟な対応が可能となり、専用の帳票設計開発ツールの購入も不要となりました。

   帳票設計開発サービス開始から半年ほどで、約30件の案件が寄せられており、帳票開発に課題や不満を抱えたお客様が多く存在していたことを実感させられました。また依頼された開発量も、既存帳票1フォームの修正から新規システム導入に合わせて300帳票の設計開発と多岐に渡っています。このほかにも数千帳票の開発案件も抱えており、このような帳票にまつわるサービスビジネスの必要性を強く感じさせられています。

   また2007年8月には、マイクロソフト社が提供する会計管理、生産管理、人事管理など各種基幹業務を統合したERP製品「Dynamics AX」に対して、帳票運用ソリューション「Super Visual Formade」による帳票運用環境を提供することを発表しています。


   これはDynamics AX販売パートナーやエンドユーザからの新規帳票作成依頼や帳票修正依頼に対しても「帳票匠屋」が窓口となり支援を行うものです。


帳票エンジンのSaaS提供開始

   帳票フォームの設計開発支援サービスは、帳票エンジンのSaaS提供のために先行して実施したものです。業務サービスから実行時に出力される帳票を生成するエンジン提供はSaaS環境に必要不可欠なものです。

   すでに連携確認の取れているサービスとして下記のようなサービスがあげられます。


Salesforce.comとの帳票SaaSマッシュアップ

   帳票を生成するエンジン提供により、Salesforce.comの利用者が、見積書や請求書などを効果的なビジネスフォームで作成可能となります。そのほか金融、製造、流通などの業種テンプレートの提供を予定しています。

   もちろんテンプレートのカスタマイズや独自帳票については、「帳票匠屋」の帳票設計開発サービスにて対応します。これにより、Salesforce.com利用者は帳票ソリューションをSaaSモデルで利用可能となり、わざわざ見積データをCSVでダウンロードしてExcelで見積再作成をする必要がなくなりました。


NetSuiteとの帳票SaaSマッシュアップ

   NetSuite利用者に向けて、フロント業務からバックオフィス業務、会計帳簿類など、日本の基幹業務には欠かせない帳票を包括的に提供します。これにより、NetSuite利用企業はすべての業務をSaaSモデルへ移行することが可能となります。

   従来は紙での業務とSaaSとの連携がボトルネックとなり、SaaS全面採用の足かせとなっていましたが、本連携によりすべての業務をSaaSで利用可能となるのです。


国内のSaaSベンダーへの提供も

   SaaSベンダーとしては前述したSalesforce.comとNetSuiteの2社が世界的に有名ですが、国内の有力ベンダーとしては会計業務をSaaSモデルで展開するビジネスオンライン社の「ネットde会計」、そして人事総務業務をSaaSモデルで展開するラクラス社の「Lacrasio」が大きく伸びています。

ビジネスオンライン
http://www.bol-net.co.jp/

ラクラス
http://www.lacras.co.jp/

   この2社のサービスにも当社の帳票サービスが活用されています。これも会計業務や人事総務業務にも帳票は欠かすことができないことが理由としてあげられるためでしょう。

帳票SaaSとのマッシュアップ
図3:帳票SaaSとのマッシュアップ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   今後も様々な業務ソフトウェアがサービスとして提供されてきますが、「帳票匠屋」は、それら業務サービスを帳票サービスとマッシュアップすることで、利用者にとってのサービス価値を高め、滞りの無い業務フロー連携を実現します。

前のページ  1  2  3  次のページ


ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 岩本 幸男
著者プロフィール
ウイングアーク テクノロジーズ株式会社  岩本 幸男
営業本部 サービス&グローバルビジネス推進室 室長
大学卒業後、ソフトウェアパッケージベンダーに入社。その間、データベースソフトウェアの移植・開発、インターネットビジネスの立ち上げなどに従事し、2000年6月にASP会社を設立とともに代表取締役に就任。2006年よりウイングアーク テクノロジーズに入社、SaaSで実現する帳票ソリューションを推進し、サービス&グローバルビジネス推進室室長として、帳票匠屋の事業の立ち上げに従事。


INDEX
SaaSだからこそ重要な帳票によるサービス連携
  SaaSの落とし穴「帳票」
帳票匠屋の取り組み
  SaaS共通インフラとしての帳票サービス