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徹底比較!!DIxAOPコンテナ
DIxAOPコンテナ「Seasar2とSpring」

第7回:SpringによるAOPの導入
著者:豆蔵  長谷川 裕一、竹端 進   2006/1/18
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EmployeeDaoImplへのAOP適用

   AOPの最後の仕上げにEmployeeDaoImplに独自実装のトレースログの出力処理を追加しましょう。
Adviceの作成と定義ファイルの修正

   EmployeeManagerImplではSpringの提供するDebugInterceptorを利用しましたが、ここではAroundAdviceとして独自のトレース処理を追加します(リスト13)。

リスト13:EmployeeDaoImpl用のトレース処理

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)

   リスト14はBean定義ファイルの設定部分です。

リスト14:EmployeeDaoImpl用のAOP設定

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)

   リスト14の(2)は、独自のトレース処理として作成したTraceAdviceのBean定義です。

   リスト14の(1)は、そのTraceAdviceを名前がDaoで終わるインターフェースに適用しています。EmployeeDaoImplに追加するトレース処理はAutoProxyであるBeanNameAutoProxyCreatorを利用してトレース処理をAOPとして実現しています。EmployeeManagerImplにAOPを追加した時と設定方法が違うことに注意してください。

   以上でEmployeeDaoImplに対するAOP適用は終わりになります。ここまで解説したAOPの動作確認は第5回で紹介したサンプルを動かすことで可能です。

Spring版
Text  sample_apli2_spring.zip
  (ZIPファイル/5.35MB)


連載のあとがき

   ここまで7回にわたってSeasar2とSpringのDIxAOPコンテナを中心に基礎的なところを解説してきました。今後、実開発でSeasar2やSpringを適用するには、プレゼンテーションやDAO周辺のこと、既存のフレームワークとのインテグレーション機能について、調査/検証する必要があります。また、プロジェクトによってはJMSやWebサービス、EJBなどとの連携についても調査/検証が必要でしょう。

   こうした、DIxAOPコンテナ以外の技術については連載の第1回で記載したような書籍やメーリングリストなどを使って学習していくとよいでしょう。また、様々な勉強会に参加するのも1つの手です。

   ついこの間まで一部の人達が検証を行っていただけのDIxAOPコンテナですが、急速に広まり、今ではWebアプリケーション開発に欠かせない要素技術の1つになっています。私の周囲でもSeasar2やSpringに関わる仕事が増えてきています。

   皆さんもSeasar2やSpringを利用して、今よりも開発作業で楽をしていただきたいと思っています。本連載がその助けになっていれば幸いです。

   長い間、おつきあいありがとうございました。

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株式会社豆蔵 長谷川 裕一
著者プロフィール
株式会社豆蔵  長谷川 裕一
XMLの技術開発やCORBA、EJBを使用したシステム開発などを経て、現在はアジャイル開発プロセスの導入から工学的なソフトウエアプロセスの策定、オープンソースプロダクトに関するコンサルタント、アーキテクトとして常に第一線で活躍。共著として「プログラムの育てかた 現場で使えるリファクタリング(ソフトバンク)」、「Spring入門(技術評論社)」。


株式会社豆蔵 竹端 進
著者プロフィール
株式会社豆蔵  竹端 進
鉄鋼系SIerを経て現職に。現在はオープンソースプロダクトに関するコンサティング、開発支援、教育を行うチームに所属。日々、新たな技術をどのように生かしていくかを考える毎日。現在の注目対象はSeasar2とMaven。


INDEX
第7回:SpringによるAOPの導入
  Seasar2のAOPについて
  Before Advice
  EmployeeManagerImplへのAOP適用
EmployeeDaoImplへのAOP適用