第3回:オープンアーキテクチャを採用した「Cognos 8 BI」 (2/4)

統合化BI
統合化が進むBIツール

第3回:オープンアーキテクチャを採用した「Cognos 8 BI」
著者:コグノス  高澤 正道   2006/3/20
前のページ  1  2   3  4  次のページ
共通のサービスを一元化したフレームワーク

   Cognos 8 BIは、当初からエンタープライズシステムとして設計されており、Web3階層/マルチサーバ/マルチスレッドに対応しています。

   数十万ユーザまで実証済みの拡張性、完全なフェイルオーバ、動的ロードバランシング、セキュリティ、メタデータ、ポータルなどの共通のサービスは、フレームワークで一元化され、すべてのBI機能がこのフレームワーク上に実装されています。

   では、そのメリットのいくつかを説明していきましょう。


システム設計がシンプルに

   BI環境がBIツールだけで成立しない以上、BIツールの特性は組み合せるデータベースやアプリケーションサーバなど他のソフトウェアを検討するときや、ハードウェアの調達にも影響します。

   統合製品では複数のアーキテクチャが混在しているため、見かけとは裏腹に個々の製品やモジュールの特性を見極めたシステム設計が必要になります。その結果、ある機能を選ぶことで他の機能が制約を受けたり、データをモジュール間で移動したりと、統合製品ならではの煩雑さが発生します。

   Cognos 8 BIは、アーキテクチャのレベルでサービスの共通化とデータの一元管理を実現しており、統合製品のような煩雑さはありません。それぞれのBI機能はフレームワークで共有されたサービスを利用し、エンドユーザに対しては一律のBIサービスを提供します。したがって、Cognos 8 BIは統合製品に比べ、システム設計が格段にシンプルになります。


システムリソースを有効活用、さらには多国語環境でも

   Cognos 8 BIがリリースされてすぐ、マシンリソースを有効に利用することがCognos 8 BIの決め手となった案件があります。

   採用の決め手は、Cognos 8 BIがBIの各機能に独自のセキュリティ用のサーバをたてる必要がないこと、すべてのサービスやBI機能がサーバのシステムリソースを共有し、管理できることでした。

   他にも、Cognos 8 BIがシステムリソースをうまく活用する例をあげてみます。Cognos 8 BIは多国語に対応しており、OSやRDBMSと同様、エンドユーザごとにロケールが指定できます。言語ごとのBIサーバを立てる必要がないばかりか、同じシステムリソースを利用して様々な言語や通貨、時刻に対応したメタデータやレポートが提供できます。


強固で柔軟性の高いセキュリティ

   Cognos 8 BIは、ユーザ認証に外部の認証プロバイダを利用します。LDAP、Active Directory、NTLM、Netegrity Siteminder、SAP BWなどに対応し、複数のものを自由に組み合せることができます。また、認証データを独自に持たないため、認証データに変更が発生した場合、データ移行を行うといった二重管理は必要ありません。

   例えば、M&A(企業の合併や買収)の結果、認証プロバイダの種類が増えた場合でも、Cognos 8 BIなら認証プロバイダを自由に組み合わせて柔軟に対応できます。

   また暗号化に関していえば、168bitの暗号化も提供しており、その対象はパスワードにとどまらず、テンポラリのファイルなどにもおよびます。

   Cognos 8 BIは、このようにIT部門の負荷とコストを軽減しつつ、安全で安心して使えるシステムが構築できるといえます。


監査ログとトレースを一元化

   近年その重要性が増しているログやトレースについてもシステム全体を通じた一貫性と統合性が提供されています。

   監査ログやトレースも、フレームワークの共通サービスで処理されます。そのため、すべての機能で同一の仕組みをが利用されることになります。管理が容易であるだけでなく、ログやトレースをもとにニーズやトレンドの分析も行うことが簡単にできます。


システム拡張が容易

   Cognos 8 BIそのものが、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づくため、導入後のシステム拡張も容易です。BI機能を新たに追加する場合も、すでに導入した共通サービスのフレームワークがそのまま使えます。

   一方、本番システム稼動後、利用者数や利用頻度の増加、利用形態の複雑化などに対応してデータ処理能力の増強が必要となった場合、スケールアップやサーバの増設によるスケールアウトで対応することができます。

前のページ  1  2   3  4  次のページ

広範なビジネス・インテリジェンス機能を統合
「Cognos 8 Business Intelligence」

Cognos 8 BIは、Webブラウザだけで、様々なスタイルのレポートの開発と提供に加え、データ検索/データ分析/スコアカード/ダッシュボードおよびビジネスイベント管理のすべてが利用できます。なお、これらのBI機能の詳細は、コグノスのホームページで確認してください。

http://www.cognos.com/jp/
コグノス株式会社 高澤 正道
著者プロフィール
コグノス株式会社  高澤 正道
コグノス株式会社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング
コグノスにて、プリセールス、コンサルタント、プロダクトマネージャーを経て、2004年より現職。この10年間は一貫して「Business Intelligence」に従事。


INDEX
第3回:オープンアーキテクチャを採用した「Cognos 8 BI」
  シンプルで完璧、実績のあるビジネスインテリジェンス
共通のサービスを一元化したフレームワーク
  企業のITインフラにプラグイン
  広範なビジネスインテリジェンス機能を統合
統合化が進むBIツール
第1回 なぜ今、BI統合化なのか
第2回 データを中心に統合化するOracle
第3回 オープンアーキテクチャを採用した「Cognos 8 BI」
第4回 ビジネス・パフォーマンス・マネジメントが実現する経営管理サイクル
第5回 End To Endの包括的なBI・EPMを提供するBusinessObjects XI
第6回 統合マネジメントシステムを実現するBIプラットフォーム
第7回 統合化のメリットと各社の特徴
関連記事 : システム企画担当者のためのBIシステム導入の勘所
第1回 BIの世界を体験する−イントロダクション  オープンソースBIツールOpenOLAP
第2回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(1) BIシステム導入の目的
第3回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(2) BIシステムのアーキテクチャ
第4回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(3) データベースとBIツール
第5回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(4) BI構築プロジェクトの進め方
第6回 BIシステムをつくってみる−実践編(1)設計−導入計画と要件定義
第7回 BIシステムをつくってみる−実践編(2)設計と構築
第8回 BIシステムをつくってみる−実践編(3)続・構築フェーズ
第9回 BIシステムをつくってみる−実践編(4)構築フェーズ〜プロジェクト評価フェーズ
第10回 BIシステムをつくってみる−実践編(5)機能拡張プロジェクト
第11回 BIシステムの構成を決める−製品選択編(1)BIツール選択のポイント
第12回 BIシステムの構成を決める〜製品選択編(2)BIツール選択(続き)とデータベース選択のポイント
関連記事 : BIツール選択に失敗しないために
第1回 BIツール選択の基本は、分類すること
第2回 分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(前半)
第3回 分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(後編)
第4回 レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(前半)
第5回 レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(後半)
第6回 モニタリング・ツールの選択〜経営者が必要とする表現力をチェック(前半)
第7回 モニタリング・ツールの選択〜経営者の必要とする表現力をチェック(後半)

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る