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徹底比較!! エンタープライズサーバOS
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第2回:エンタープライズサーバOSの機能を見る(1) SUSE LINUX編
著者:大神企画 富樫 純一 2004/12/27
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取り巻く周辺環境も急速に整備
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SUSE LINUX Enterprise Server 9を取り巻く環境も、急速に整いつつある。その代表として挙げられるのが、エンタープライズ向けLinuxデスクトップ「Novell Linux Desktop 9」の登場である。同製品は、SUSE LINUX Enterprise Server 9と共通のコードベースを持ち、ノベルによって2003年8月に買収されたXimianが開発したGNOME2.6ベースの「Ximian Desktop」とノベルの「iFolder」「GroupWise」などのネットワークアプリケーションを搭載し、エンタープライズ用途を意識した初めてのLinuxデスクトップとなっている。
Novell Linux DesktopとSUSE LINUX Enterprise Serverを組み合わせれば、YaSTによる自動インストール、運用管理の一元管理が可能になる。キオスクやコールセンターのような特定の業務アプリケーション端末、汎用アプリケーションを必要としない企業や官公庁の端末などのデスクトップとして普及が進むかもしれない。
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メインフレームにLinuxを採用したIBMのオープンソース戦略
パソコン事業部門を中国・聯想集団に売却したことで話題になっているIBM。2002年に日立に売却したハードディスク事業に続いての不採算部門の整理によって、IBMは本来の事業の柱であるエンタープライズ向けビジネスへと回帰しようとしている。
そんなIBMは、2000年からメインフレーム「S/390」の後継として、“オープンメインフレーム・サーバ”と呼ぶ「eServer zSeries」を提供している。オープンの完全な対極にあるプロプライエタリーの代名詞であるメインフレームに「オープン」と冠した理由は、Linuxが稼働するプラットフォームだからである。
zSeriesで稼働する「Linux on zSeries」は、オープンソースのLinuxに対し、カーネル内のハードウェア依存コードやデバイス・ドライバなど、ハードウェアに依存するコードを追加したもの。Red Hat LinuxやSUSE LINUXなどのLinuxディストリビューションに対応し、Linuxアプリケーションはソースレベルでの互換性を維持している。また、WebSphere Application Server、DB2、Lotus Notes/Domino、TivoliなどのIBM製ソフトウェアをはじめ、Oracle DBのような主要ソフトウェア製品も完全に対応しており、まさに「最強のLinuxサーバ」なのである。IBMによると、日本におけるzSeriesの30%パーセント以上が、すでにLinuxになっているという。なお、IBMはノベルのSUSE買収に際して、ノベルに対し出資するなど、SUSE LINUXへのコミットを強めている。
IBMがメインフレームにLinuxを採用し、オープンソース戦略を打ち出したのは、1990年代のOS戦略の失敗にあるというのが、大方の見方だ。自社の技術をオープンソースとしてコミュニティに公開してテクノロジーの発展に寄与するのと同時に、自社製品をいち早く市場に投入し、競争力を確保しようという戦略なのである。
特に、メインフレームの市場は、世界的に見ても緩やかに縮小し、将来的には終息に向うと考えられている。IBMは、そのメインフレームの顧客を手放さないために、Linuxへのマイグレーションパスを先手を打って用意したとも見ることができる。
メインフレームで培ってきたユーザーのソフトウェア資産を生かしつつ、新しいシステムをLinuxで構築し、それを1つのサーバに統合するというソリューションを中心に、エンタープライズLinuxのハイエンドを支えるプラットフォームとして、しばらくは生き長らえることだろう。
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著者プロフィール
有限会社大神企画 富樫 純一
代表取締役。週刊COMPUTERWORLD(IDG)編集記者を経て、月刊WINDOWS WORLDの創刊に携わる。1996年に編集長。1998年に月刊PC WORLD創刊。1999年、編集プロダクションを設立して独立。現在、幅広い執筆活動を展開。また、NHK BS「何でも解決!パソコンマガジン」にレギュラー出演するなど、テレビ・講演活動にも活躍。
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