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dumpコマンド
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dumpコマンドを実行するにあたって最低限のオプションを表1にまとめてみました。dumpコマンドは豊富なオプションが存在しますので、詳細はmanページにて確認するようにしてください。
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# dump [オプション] [パラメータ] ファイルシステム
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0〜9 |
dump level |
f |
出力先ファイルまたはテープの指定 |
u |
/etc/dumpdatesを更新する |
w |
dumpコマンドを実行する必要があるファイルシステムを/etc/fstabの情報により表示する |
W |
dumpコマンドを実行する必要があるファイルシステムを/etc/dumpdatesおよび/etc/fstabの情報から表示する |
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表1:dumpコマンドのオプション
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まず、バックアップが必要なファイルシステムをWオプションにて確認します。リストから、マウントはされているもののfstabでフラグが0になっているため、/dev/hdd7はバックアップの必要が無いということがわかります。
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# dump W
Last dump(s) done (Dump '>' file systems):
> /dev/hdd2( /) Last dump: never
> /dev/hdd1( /boot) Last dump: never
> /dev/hdd6(/data1) Last dump: never
/dev/hdd7(/data2) Last dump: never
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dumpコマンドを実行する前には、できる限りファイルシステムをアンマウントし、システムのバックアップを行う際には、シングルユーザモードに変更して実行することが推奨されています。ユーザが使用していないデータ領域であれば、単にアンマウントだけ行えばよいでしょう。
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# umount /data1
# dump 0uf /dev/nst0 /dev/hdd6
DUMP: Date of this level 0 dump: Wed Mar 16 23:23:38 2005
DUMP: Dumping /dev/hdd6 (/data1) to /dev/nst0
〜中略〜
DUMP: Date of this level 0 dump: Wed Mar 16 23:23:38 2005
DUMP: Date this dump completed: Wed Mar 16 23:25:34 2005
DUMP: Average transfer rate: 1741 kB/s
DUMP: DUMP IS DONE
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dumpコマンドを実行した後は、"/etc/dumpdates"に対象のファイルシステム、dumpレベル、実行時間という形で記録が残ります(uオプション使用時)。
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# cat /etc/dumpdates
/dev/hdd6 0 Wed Mar 16 23:23:38 2005
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次に、ファイルを1つ追加し、dumpレベル1にてdumpレベル0から変更された分のみバックアップしてみます。バックアップ取得量が0.04MBと、差分のみが取得されたことがわかります。
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# mount /data1
# touch /data1/inctest
# umount /data1
# dump 1uf /dev/nst0 /dev/hdd6
DUMP: Date of this level 1 dump: Wed Mar 16 23:34:25 2005
DUMP: Date of last level 0 dump: Wed Mar 16 23:23:38 2005
DUMP: Dumping /dev/hdd6 (/data1) to /dev/nst0
〜中略〜
DUMP: Volume 1 completed at: Wed Mar 16 23:34:32 2005
DUMP: Volume 1 40 tape blocks (0.04MB)
DUMP: Volume 1 took 0:00:03
DUMP: Volume 1 transfer rate: 13 kB/s
DUMP: 40 tape blocks (0.04MB) on 1 volume(s)
〜中略〜
DUMP: DUMP IS DONE
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"/etc/dumpdates"にも、dumpレベルが1とわかるように記録されています。なお、dumpdatesは、フルバックアップが行われるたびにリセットされるようになっています。
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# cat /etc/dumpdates
/dev/hdd6 0 Wed Mar 16 23:23:38 2005
/dev/hdd6 1 Wed Mar 16 23:34:25 2005
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dumpレベルとは?
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フルバックアップを0としたものを基点とし、それよりも大きな数のレベルが設定された場合には、その設定したレベルよりも低い部分からの変更点のみをバックアップすることが可能です。
図の例では、日曜日にフルバックアップを実行し、その他の曜日は差分バックアップとなっていますが、基本的に前日からの差分であるのに対し、水曜日だけは1よりも低い数字である0、つまりは前回のフルバックアップからの差分を取得しています。dumpレベルを活用することにより、日々のバックアップデータ量を削減することができます。
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図:dumpレベルとバックアップデータ量
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著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社 青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。
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