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第6回:PostgreSQLは使えるのか?
〜 あなたの環境での性能特性を調べる
著者:野村総合研究所  平野 耕一   2005/6/20
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チューニング後の性能特性

   以上を的確に対応することで、今回のチューニングは終えることとしよう。その結果、性能特性はどのように変化したのか、図2で見てみよう。チューニングでいじった部分以外の測定条件はまったく同一である。
チューニング後のPostgreSQLの性能特性
図2:チューニング後のPostgreSQLの性能特性

   EU=600の平均応答時間は0.1秒強で、EUが600の時に平均応答時間が1.5秒以内という今回のWebシステムの性能要件を十分に満たしていることがわかる。これで、本稿で設定した仮想ケースでの性能要件を手元のPCサーバとPostgreSQL 7.4.6で実現できるかどうかの大まかな判断がつきそうだ。

   簡単ではあるが、この仮想ケースでの性能確認を終了したことになる。前述の報告書第4章からの結果抜粋はおしまいとする。


さらなる探求

   本稿では、「WebアプリケーションのRDBMSにPostgreSQLは使えるか?」の問いに答えるために、Webトランザクション系のシステムのデータベースサーバのベンチマークを目的としたDBT-1を使って、あなたの環境でのPostgreSQLの性能特性を調べることの概要のみを紹介した。

   報告書第4章では、本稿で紹介したチューニング前後のPostgreSQLの性能特性の他、データベースのデータサイズをさらに10倍にしたときの性能特性や、OSディストリビューションの違いによる性能の違いなどについても触れているので、興味がある方はぜひご覧いただきたい。

   前回・今回と、WebアプリケーションのRDBMSのベンチマークの話だったが、次回はSRAの松田氏が、大規模データベースにおけるPostgreSQLの性能評価として、DBT-3を使った意志決定支援システムにおける検索性能と、運用時に必要となるバックアップ・リストアなどの運用性能について、性能測定と評価結果を報告する。

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株式会社野村総合研究所 平野 耕一
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所  平野 耕一
大英帝国の大学院に私費留学中、研究費がなく、大学教員のLinuxマシンを複数台連結し、夜中にこっそり大量の科学計算を行ったのがオープンソースとの出会い。現在は米国西海岸のNRI Pacific, Inc.に出向中。3才になる双子の父でもある。趣味は自転車通勤。


INDEX
第6回:PostgreSQLは使えるのか? 〜 あなたの環境での性能特性を調べる
  はじめに
  DBT-1をPostgreSQLに適用すると見えてくるもの
  データベースのチューニング
チューニング後の性能特性