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実行中のコストトラッキング
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プロジェクトリーダーは、計画プロセスで立てたプロジェクト予算に対し、現在どこまでコストがかかっているかを常に把握しながらプロジェクトを進めなければなりません。そのためには、プロジェクトメンバーの工数をきちんと原価管理する仕組みが必要です。例えば弊社の場合、週報を使ってプロジェクト別に費やした工数を毎週報告し、プロジェクトのコスト実績を集計しています。
プロジェクトの予算や実績は、プロジェクトリーダーだけでなくプロジェクトメンバーにもきちんと報告して情報を共有しましょう。自分の携わっているプロジェクトの採算性をきちんと認識することで、充実感も増し、作業効率も高まると思います。また、若いうちからコスト意識を持つ事は、いざ自分がPLになったときに役立ちます。
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図4:プロジェクトごとの実績報告を行う週報 (画像をクリックするとEXCELファイルをダウンロードできます。/31KB)
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図4は、プロジェクト単位に費やした工数を報告する週報の例です。このような書式で、どのプロジェクトに何時間働いたかを報告し、これを集計してプロジェクト単位のコストをリアルタイムにトラッキングします。このような仕組みがコンピュータシステム化してあれば、直接画面に実績を入力するだけで済みます。
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まとめ
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第4回は、コスト管理についてPMBOKの体系に沿って説明しました。プロジェクト管理手法「PYRAMID」で用意している見積テンプレートもいくつか紹介したので、使ってみてください。
最後にポイントを整理しましょう。
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コスト管理
- 精度を求めるあまり、多量の情報を必要とする見積手法は現場から敬遠される。
- 「標準値法」や「ファンクションポイント法」は、規模の大きなシステム開発で有効な見積手法である。
- ファンクション法は、「トランザクションファンクション(入出力)」のほかに「データファンクション(ファイル数)」も加味して計算する。
- 積上げ積算法はKKD法の一種であるが、見積者の経験が高ければ精度も高くなる。
- 見積者のスキルをカバーするため、見積のレビューをしあうディスカッションをルール化するのも有効である。
- 見積テンプレートに実績を入力できるようにしておくことで、換算係数などの補正に利用できる。
- プロジェクト実行中は、予算に対してどのくらいコストを使ったかを常にトラッキングしておくことが重要だ。
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著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ 梅田 弘之
東芝、住商情報システムを経て1995年にシステムインテグレータ社を設立。
常駐・派遣主体の労働集約的な日本のソフトウェア業の中で、創造性にこだわってパッケージビジネスを行っている。
国際競争力のない日本のIT産業が、ここから巻き返しを図るための切り札は「プロジェクト管理」だと信じ、実践的なプロジェクト管理手法「PYRAMID」を自社開発している。
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