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IT戦略と人材マネジメント〜IT効果による人材革命
第6回:戦略的人材情報システムの導入アプローチ
著者:
日本オラクルインフォメーションシステムズ 小河原 直樹
2006/4/25
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人員計画の可視化
企業競争力を高めるためには、企業戦略と従業員の目標を一致させ、人材価値を高めていくことが重要である。
そのためには、従業員の持つ能力/スキル・資格・学歴・表彰・報奨・語学力・免許・資格などの情報を管理して、リアルタイムに参照できるようし、従業員の持つ能力・技術の可視化を実現する必要がある。
その情報を基に、事業戦略を実現するための職務に必要な要件、必要な能力/スキルを持つ最適な人材を選ぶことで、適材適所の人材配置の意思決定支援を行なうことが可能となる。
中・長期的な企業戦略を立てる過程において先のように人材配置を行なうと、数年後の人員計画や必要な従業員像がハッキリしてくる。そのための必要な人材を確保するために、社内・社外に必要な人材を調達しなければならない。社内で確保する場合は、将来の要員計画から自己実現計画(キャリアプラン)と後継者育成計画(サクセションプラン)をリンクさせた、合理的な教育研修計画の実現が重要である。
なお、経営を左右する重要な役職やリーダーとしてのポジションは、必要な要件をきめ細かく定義し、現職者と後任候補者を時系列に管理できなくてはならない。
人員計画には、選抜された候補者だけでなく、従業員の異動希望から後任候補者の選定を行なえるなど、キャリアプランとサクセションプランを連携させていく必要がある。それにより企業戦略と個人の自己実現をマッチさせ、戦略遂行のための人材育成を加速化させる仕組みを提供しなければならない(図2)。
図2:人材育成のモデル
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
人材戦略に基づき研修コースを設定し、研修予算の策定から、受講申請、教育実施、研修コースの評価など、体系的に管理する仕組みを提供する。そして将来の後任計画やキャリアプランに必要な要件と、従業員の保有能力を比較し、欠けている能力を補う研修計画を立てる。
効果的な人材育成のためには、組織や役割に必要な教育研修プログラムを効率よく提示する。足りないスキルを補い、人材価値を高めることで、企業戦略に必要な人材を社内で育成・調達を行なう(図3)。
図3:教育・研修管理
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
社外から優秀な人材の獲得には、募集から試験、面接や条件提示といった採用における様々な業務を効率よくスピーディに行う必要がある。そのために、募集・選考・条件提示などのすべての採用プロセスをセルフサービスとワークフローを利用して現場主導で実施する。そして人事部と連携を行いながら効率よくスピーディに運営できる仕組みを提供することで、競合優位の基である有能な人材を他社より早く獲得できる環境を整えることができる。
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著者プロフィール
日本オラクルインフォメーションシステムズ 小河原 直樹
米国Baylor大学大学院国際ジャーナリズム学科卒業後、SAPジャパン(株)にHRコンサルタントとして入社。その後、外資系金融企業で日本およびアジア地域の人事責任者として勤務。現在、日本オラクルインフォメーションシステムズ(株)でHCM Global Strategy. Senior Managerとして日本の製品戦略の責任者。
INDEX
第6回:戦略的人材情報システムの導入アプローチ
人材情報化投資の実情
人員計画の可視化
人材情報システムの浸透