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徹底比較!! Solaris/Linux/BSD |
第1回:歴史とアーキテクチャを比較してみる
著者:シンクイット 紙屋 伸成 2005/6/2
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Linuxの歴史
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Linuxは通常あまりUNIXの系列には入ってきません。それは、Linuxを生み出したLinus Torvaldsを中心に新たに作り上げられたOSだからです。しかし、ソースコード自体はフルスクラッチであったとしても、やはり基本はUNIXになります。
Linusがヘルシンキ大学で学んでいたとき、Andrew Tanenbaum教授が開発した学習用のOS「MINIX」と出会いました。MINIXはOSのしくみを理解するために作られたUNIXライクのOSです。しかしMINIX自体は教育用のOSですので、システムとして便利な機能やアイデアは含まれていましたが、実際の運用に耐えられるものではありませんでした。
LinusはこのMINIXの限界を感じ、新たに自分でOSを書き始めたのです。それが「Linux」です。1991年、LinusはMINIXのニュースグループに自分の考えを投稿しました。最初のLinuxといえるLinux 0.01のソースコードが公開され、さまざまな人が参加しながらLinusを中心に開発が進められ、徐々にバージョンアップされていきました。このような背景でLinuxが生まれたことを考えると、現在のLinuxにおいてコミュニティが大きな力となっていることもうなずけるでしょう。
Linuxにおいて特徴的なのは「ディストリビューション」という概念です。Linusが開発を行なうのはOSの基本部分だけですので、それをベースにさまざまなソフトウェアを組み合わせ、パッケージとして提供しています。それがディストリビューションと呼ばれるものです。ディストリビューションにはもちろんオープンソースで無償のものもありますが、独自開発のツールを加えたりサポートを行なったりして有償で提供する場合もあります。
表2以外にも多くのディストリビューションがあり、それぞれのディストリビューションで、例えばソフトウェアパッケージの管理システムなどの点でいろいろと違いがあります。
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ディストリビューション |
種別 |
Red Hat Enterprise Linux |
商用 |
Miracle Linux |
商用 |
SUSE LINUX |
商用 |
Turbolinux |
商用 |
Vine Linux |
非商用/商用 |
Fedora Core |
非商用 |
Debian GNU/Linux |
非商用 |
Gentoo Linux |
非商用 |
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表2:主なLinuxディストリビューション
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歴史からみた選択ポイント
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さて、Solaris、Linux、BSDのそれぞれの歴史を見てきました。Solarisは本家UNIXであるAT&Tと提携し、SVR4とBSDを組み合わせたある意味由緒正しいOSといってもよいでしょう。また、昔から商用として作られているため、その安定性や信頼性に関するノウハウが蓄積されています。
BSDも歴史が古いOSであり、安定性、信頼性が評価されています。また、インターネットの基礎技術であるTCP/IPのシステムはほぼすべてBSDに由来したものです。したがってネットワークのサーバーとして非常に重要なOSであるといえます。
Linuxは上記2つに比べれば若いOSですが、現在のシェア、人気を考えるともっとも有望なOSです。また、SolarisやBSDがサーバーとしての用途に向いているのに対し、Linuxはサーバー、デスクトップクライアントの両方で充分な環境を提供できます。
では歴史的な背景からOSの選択ポイントを考えてみましょう。
安定性、信頼性を追及するようなシステムではSolaris、BSDの強みが出ます。また歴史的な過程をみると、Solarisは商用に強く、BSDは教育・研究機関に親和性が高いと思います。もちろんLinuxも安定性、信頼性が低いというわけではありません。逆に、各ディストリビューションのサポートや、現在の情報源が豊富であることを考えると、安定した運用ができるといえます。そして、何よりクライアントとして使うのであれば、Linuxが一押しでしょう。
以降の記事では、それぞれの比較ごとに選択ポイントを紹介していきます。ただしあくまでも筆者の私見であることを踏まえ、自分自身でOSを選択してもらえればと思います。
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アーキテクチャ
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ここでは少し技術的な面での比較を行ないます。それぞれのOSのアーキテクチャの違いを紹介します。それぞれどういった特徴があるのでしょうか。
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CPUアーキテクチャ
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それぞれのOSが対応しているCPUについて見てみましょう(表3)。
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OS |
x86 |
x86 64bit |
SPARC |
Alpha |
Solaris 10 |
○ |
○ |
○ |
× |
Fedora Core 3 |
○ |
○ |
× |
× |
FreeBSD 5.3R |
○ |
○ |
○ |
○ |
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表3:CPUアーキテクチャへの対応
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Solaris、Linux、BSDではおそらくすべてのOSがx86アーキテクチャに対応していると思います。また、主要なものは64bitのx86アーキテクチャにも対応しています。
SolarisのCPUといえばSPARCが有名です。SPARCはサン・マイクロシステムズより提供されている32bitおよび64bitのRISCプロセッサです。LinuxやBSDでもSPARCに対応しているものはありますが、どちらかというとそれほど力を入れてはいないようです。他に、DECの64bit RISCプロセッサであるAlphaなどのアーキテクチャもあります。
多様なディストリビューションが存在するLinuxでは、SPARC、Alpha、PowerPCなどに対応したものもあります。今回はFedora Coreを例に挙げましたが、Linux全体で考えると対応していないアーキテクチャはないといっても過言ではないでしょう。
それからCPUのみの話ではありませんが、FreeBSDはNECのPC-98にも対応しています。日本では以前PC-98シリーズが普及していたため、PC-98でUNIX互換OSを使おうとするとFreeBSDしかないという状況でした。そのため、他のBSDに比べて日本ではFreeBSDの使用率が多いのではないかと思います。
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著者プロフィール
株式会社シンクイット 紙屋 伸成
大学のときに研究室でUNIXシステムと出会い、以後そこから抜け出せずにいる。IT系出版社、通信会社と渡り歩き、シンクイットに所属。企業システムにおけるオープンソースの位置づけを日々考えている。
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